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2021年2月 7日 (日)

橋本陽子『労働者の基本概念』

555348 橋本陽子さんより待望の大著『労働者の基本概念-労働者性の判断要素と判断方法』をお送りいただきました。ありがとうございます。

https://www.koubundou.co.jp/book/b555348.html

現在の労働者性を判断する上で必読の論文集!
 産業の変化によって、社会が大きく変わっていくとしても、働くことで、生活の糧を得る者には、必要な保護が保障されなければなりません。本書はそういう問題意識に基づいて、「労働者概念」の明確化を試みることを目的とした意欲的な論攷です。
 労基法と労組法上の労働者概念は基本的に同一の概念であると考え(労働者概念の統一性/単一性)、相対性は、体系上の必要からやむを得ず認めるべきである場合にのみ認められるというものとして、こうした基本概念と個々の実定法上の概念を区別することによって、概念の統一性と相対性の解明を試みています。労働者概念の判断要素と判断方法という視角から論じる必読論文集です。 

何が「待望の大著」なのかというと、何しろもとになった助手論文が法学協会雑誌に連載されたのが2002~2003年で、その後随時いろいろと論文を書かれてもなかなか一冊にまとめられることなかったのが、ようやくこうして一冊になったというわけです。

本書ではドイツ法から踏み込んで、EU法上の労働者概念についても大変詳しく解説されています。

序 章 本書の課題
第1章 裁判例における労働者性判断の特徴と問題点
第2章 ドイツ法上の労働者概念
第3章 EU法上の労働概念
第4章 労働者概念の法理論的検討
第5章 労働者性の判断要素と判断方法
補 論 「事業(所)」概念の検討
終 章 要  約
欧文要約(ドイツ語・英語)/判例リスト(ドイツ・EU)/
参考文献/事項・人名索引 

橋本さん独自の考えを展開しているのが第5章ですが、例の東村山のワーカーズコレクティブ事件とかも出てきます。

まあ、この問題を考える人には不可欠な本であることは間違いありません。

そのうえで、最近の関心事からするとある側面が取り上げられていないことがちょっと気になりました。それは、例のFNV事件EU司法裁判決以来の、競争法上の事業者性と労働法上の労働者性との相克という問題です。

この問題については、3月刊行の『季刊労働法』春号に「フリーランスと団体交渉」という文章を寄稿していますが、EUレベルでは大騒ぎになっているこの問題がドイツではどういう風に受け止められているのでしょうか。

 

 

 

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