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2021年2月 1日 (月)

戦国の忍者は使い捨ての非正規雇用?

81mbprsdacl ほとんど99%は趣味の読書ですが、ちょびっと労働問題(と言って言えないこともない)風のところもあったので紹介。

真田や武田に関する歴史書をたくさん出している平山優さんの、昨年でたこの本を、基本的には全くの趣味ベースで読んでたんですが、最後の「おわりに-戦国の忍びとはどのような人々だったのか」で、こういう見出しの下にこんな記述が・・・。

非正規雇用は使い捨て

 このように見てくると、戦国の忍びの特徴とは、①諜報、索敵、待ち伏せ、暗殺など任務の多様性、②それ故の呼称の多様性、③人数と規模の膨張、④出身地、階層、職種の多様化、⑤それゆえにアウトロー出身者の数の多さ、などにまとめられるだろう。そして、彼らはすべて、戦争に勝ち抜くためだけの目的のもと、大名に雇用された人々であり、知行地を拝領し、武士身分として活動する者は、忍び出身の足軽大将くらいであって、後は「当座」の扶持をもらう非正規雇用の人々であった。

戦国大名や国衆が忍びを募集するとき、①「当座の扶持」(契約金、支度金)の一時支給、②足軽大将や寄親(指揮官)の下に配属されたことを契機に支給される「同心給」(同心全員を対象に一括支給された知行地)からの配分、③盗人などの罪人は罪一等を減じること、などが提示された。そして、大名の麾下に編制されると、彼らは味方の地においては諜報、盗み、放火、略奪などは厳禁され、そうした行為は敵地において奨励された。・・・

いっぽうで、敵の待ち伏せや城塞、敵陣への潜入、放火、乗っ取りの活動などは、まさに命がけの任務であり、それゆえ忍びたちの氏勝率は極めて高かったと推定される。・・・・そして、戦死したり、傷ついた忍びたちのその後を物語る史料は、管見の限り見られない。・・・

武士であれば土地(ストック)をもらうわけですが、忍びという非正規雇用はフローの金をもらうというわけです。

この本を読むと、昼間の武士の華々しく闘って手柄を立てる世界の裏側に、夜の影に潜んで潜入、放火、乗っ取りといった非正規戦闘形態に従事した膨大な数の非正規雇用の忍びたちが活動していたことが分かります。

表だっては描かれることなく、史料の端々にちらりちらりと垣間見える彼らの姿を一つ一つ丹念に拾い上げて一冊に描き出した平山さんの手際は見事です。

 

 

 

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