ジョブ型で社会主義をやるってこういうことさ@キューバ
たぶん、日本型システムにどっぷり漬かった人には、こういう発想はかけらもないでしょうが、
https://www.afpbb.com/articles/-/3324158(教師とライオン使い、研修医を同一賃金に キューバ経済改革)
共産党一党独裁でも経済システムは日本よりずっと資本主義という国と違って、今でも本気で社会主義の理想を追求しているキューバの話題です。
【1月1日 AFP】キューバは12月31日、経済改革の一環として、今年から教師、ジャーナリスト、ライオン使い、初期臨床研修医の賃金を同額にすると発表した。・・・
12月31日に官報に掲載された労働・社会保障省の77ページにわたる文書によると、新しい賃金制度では職種に応じて32段階の賃金が設けられる。最高段階の賃金は月給396ドル(約4万1000円)相当。
ミゲル・ディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領や、ラウル・カストロ(Raul Castro)共産党第1書記、軍人や内務省職員の賃金は明らかにされていないが、県知事の賃金は、コンピューターエンジニアの2倍近い月給375ドル(約3万9000円)相当となる。
キューバが誇る医療系の職種では、初期臨床研修医の賃金が月給210ドル(約2万2000円)相当となる。これは教師、ジャーナリスト、サーカスの動物使いと同額だ。スポーツの分野では、五輪の金メダリストが月給232ドル(約2万4000円)相当となっている。
キューバのエコノミスト、ペドロ・モンレアル(Pedro Monreal)氏によると、約300万人いる公務員のおよそ半数の賃金は、キューバの平均月給159ドル(約1万6000円)相当を大きく下回ることになる。
ジョブに賃金額が張り付いているという点では、資本主義であろうが社会主義であろうが何であろうが皆同じです。日本というメンバーシップ型社会を除けばね。
そのジョブ型社会主義のジョブ型賃金が、しかしそのすぐ近くのジョブ型資本主義諸国のジョブ型賃金とはだいぶ様子が違っていて、ほとんどジョークかと思われるばかりに平等主義的である、ということが、大西洋を挟んだジョブ型資本主義国のマスメディアによって面白おかしく報じられているわけですが、でも、そもそも職種で賃金が違うなどという発想がかけらもなく、所属組織とそこにおける雇用身分によって決まるものと、ちかごろ「ジョブ型ジョブ型」と叫んでいる当の人々すら何の疑いもなく思い込んでいるこの極東の国では、その面白おかしさのよってきたる所以の根っこのところが実のところは全然伝わらないであろうなあ、というのが新年早々の感想。
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