ジョン・マクドネル編『99%のための経済学』
ジョン・マクドネル編『99%のための経済学 コービンが率いた英国労働党の戦略』(堀之内出版)をお送りいただきました。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909237569
新自由主義によって破壊された人々の生活、広がる格差と貧困、富を蓄積する大企業、深刻化する気候変動、そしてコロナ禍……。
次々と襲ってくる「危機」に対して、ヨーロッパの左派はどのように立ち向かおうとしているのか?
本書は、ジェレミー・コービンが党首時代の英国労働党で、経済政策ブレーンたちがその叡智を結集した、革新的で、刺激的な、政策論集。
いまこそ、99%のための経済学を!
出版人的センスからいうと、うーん、出すのが一歩遅かった、という感じでしょうか。
アメリカのサンダースとともに、左翼3.0(@松尾匡)の代表格だった頃に出しておれば、見事に嵌まったはずですが、2019年の選挙に敗れたあとでもまだ効能はあったでしょうが、反ユダヤ主義で追放されてしまって、素直に左翼ポピュリズムといえるのかというところに来ちゃったのでねえ。
この本を見て思い出したのは、もう半世紀以上昔の本ですが、ペリー・アンダスン編の『ニュー・レフトの思想 先進国革命の道』(河出書房)です。これも、当時のイギリスの左派系知識人が新しい左翼の方向性をあれこれ論じていて、そういう熱っぽい雰囲気が共通しているな、と思いました。
日本語版への序文 ジョン・マクドネル
序 文 ジョン・マクドネル
【第1章】ポスト真実の世界で経済学を民主化する
アントニア・ジェニングス
【第2章】労働党の財政信頼性ルール
サイモン・レン=ルイス
【第3章】租税回避問題に取り組む
プレム・シッカ
【第4章】未来を守るために、英国はグリーン・ニューディールを必要としている
アン・ペティファー
【第5章】フェアでオープンで革新的!――労働党の国際貿易政策
バリー・ガーディナー
【第6章】英国経済の「脱金融化」と公共銀行の重要性
コスタス・ラパビスタス
【第7章】企業の所有形態のモデルを提案する
ロブ・カルバート・ジャンプ
【第8章】分断を超えて――国の繁栄のための権限移譲
グレース・ブレイクリー/ルーク・レイクス
【第9章】新しい経済における民主的所有形態
ジョー・ギナン/トーマス・M・ハンナ
【第10章】新しい地域経済システム――英国と米国を例に
マシュー・ブラウン/テッド・ハワード/マシュー・ジャクソン/ニール・マキンロイ
【第11章】債務依存と日常生活の金融化
ジョンナ・モンゴメリー
【第12章】プラットフォーム独占とAIの政治経済学
ニック・スルニチェック
【第13章】データ・ニューディール
フランセスカ・ブリア
【第14章】新しい経済と新しい経済学
J・クリストファー・プロクター
【第15章】ソーシャルインフラへの公共投資で、生産的で持続可能な配慮型経済をつくる
オズレム・オナラン
【第16章】レンティア資本主義とプレカリアート――コモンズ基金がなぜ必要か
ガイ・スタンディング
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