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2020年12月28日 (月)

坂本貴志『統計で考える働き方の未来』

9784480073495 坂本貴志さんより新著『統計で考える働き方の未来─高齢者が働き続ける国へ』(ちくま新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480073495/

年金はもらえるのか?貯金はもつのか?「悠々自適な老後」はあるのか?それとも、生活していくために死ぬまで働かなければいけないのか?現在、将来の生活や仕事に対し、多くの人が不安を抱いている。しかし、本当に未来をそんなに不安に思う必要などあるのだろうか?本書は、労働の実態、高齢化や格差など日本社会の現状、賃金や社会保障制度の変遷等を統計データから分析することで、これからの日本人の働き方を考える。働き方の未来像を知るのに必読の一冊。

坂本さんは、厚生労働省→内閣府→三菱総研→リクルートワークスと、官民の研究職を横に動いてこられた方で、基本的にはマクロな視点の経済分析を基礎に置きつつ、社会の様々な人の働き方の細部にも目配りがされています。

はじめに―私たちはいつまで働くのか
第1章 超高齢社会のいま
第2章 賃金は増えていないのか
第3章 格差は広がっているのか
第4章 生活は豊かになっているのか
第5章 年金はもつのか
第6章 自由に働ける日はくるのか
第7章 職はなくなるのか
第8章 生涯働き続けねばならないのか 

最終章では、「生涯現役」の影の面にも目を向け、

・・・人生の最後まで現役世代の人たちと変わらぬ働き方を続けなければならないならば、それはあまりにもつらい未来である。・・・

と語りますが、もちろんそれは、「現役世代」の働き方の問題でもあります。まさに坂本さんがその直前で女性について述べているように、

・・・かつての日本企業は男女雇用機会均等法の制定に伴い、従来の男性中心の職場にそのまま女性を組み入れる方法を採った。その結果として、長時間労働や本人の意思にそぐわない異動・転勤など企業の都合に応じた働き方を女性が強いられることとなった。日本には、遅々として働き方の改善が進まない職場において、「女性の社会進出」という大義名分の下、多くの女性が家庭と仕事とのはざまの中で苦しめられてきた過去があるのだ。

という問題とパラレルです。

この一節については、坂本さんは同時代的に経験されていないからだと思いますが、男女均等法の制定に伴って日本企業がやったのは、男の仕事に総合職、女の仕事に一般職というラベルを貼って、ごく少数の女性総合職を言い訳程度に採用することであったので、ここに書かれたような事態が大規模に出現するのはほぼ21世紀になってからです。とはいえ、それまでの男性型働き方モデルに女性をぶち込んで、はざまに苦しむ事態となったのはその通りです。

坂本さんはそれゆえ、

・・・多くの企業にとっては、雇用の在り方を抜本的に見直して高齢者を迎え入れる仕組みを整えるよりも、現役世代の社員を中心に組織を回していく方が効率的なのだ。結局、日本の企業は全ての高齢社員に満足できる働き方を用意することなどできないのである。

と、極めて悲観的な将来像を描きます。うーむ。

ここは人によっていろいろな意見のあるところでしょう。

 

 

 

 

 

 

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