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2020年12月 8日 (火)

今さら聞けない「ジョブ型」雇用ってなに?【山本紳也×倉重公太朗】

Shinya 八面六臂の弁護士倉重公太朗さんが本日アップされた対談の相手に選んだのは、伝説の人事コンサルタントこと山本紳也さん。

山本しんやというと、山本晋也監督の真面目な社会学を思い出してしまうのは年のせいでしょうか。

それはともかく、さすが倉重さんが見込んだ対談相手だけあって、認識がことごとく的確です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20201208-00211458/

どれぐらい的確かはリンク先をじっくり読んでいただくとして、なぜそういう的確な認識に至ったかを物語っているところが、私自身の経験と交錯して大変共感しました。

倉重:今日は「今さら聞けないシリーズ」みたいな感じです。よく新聞で出てくるけれども、いまいち分からないという方も結構いると思うので。そもそもの出発点として、日本型雇用は「メンバーシップ型」だと言われますが、これは一体何かというところを、簡単にご解説をいただけますか。
山本:はい。まず前置きになりますけれども、僕がここ数年、この分野に興味を持ちだしたのは、上智大学の国際教養学部で非常勤教員を始めたことがきっかけの一つです。上智の国際教養学部は、学生の半分ぐらいがノンジャパニーズで、日本人学生の多くは帰国子女なのです。
倉重:では、英語で授業をされるのですか。
山本:そうです。ほとんど日本に住んだことがない日本人の学生もいるような学部で、帰国子女が半分と、残り半分は日本が好きな外国人です。この学生たちを相手にしていると、日本の会社の人事の説明が難しいのと同時に、彼ら・彼女らにとっても、日本の人事を理解するのがすごく難しいと感じます。
倉重:なんの先入観もなく、ピュアな感じで聞かれるのですね。
山本:そうです。実体験のない学生らは、見聞きする表面上の事象が疑問のトピックになります。「なぜ新卒一括採用なのですか」「なぜ年功序列、終身雇用なのですか」「なぜ自分で好きな仕事を選べないんですか」という具合です。
 もっとも彼らが興味を持つのは、採用のところになります。「なぜ自分たちがやりたいことを聞いてくれないのか?」「自分たちが何を勉強してきたか、学校の成績がどうかということは全然意識されず、パーソナリティーばかりを日本の企業は気にする。これはどうしてだろう?」という疑問を皆が持っています。
倉重:実はどれも根っこは同じ質問ですね。それに対して、どういうふうに回答をするのですか。
山本:日本での当たり前を、国内で生活した経験の少ない彼らに説明しようと思うと、すごく難しいのです。これらは、一つひとつの制度や事象では説明がつきません。メンバーシップ型は、終身雇用だけで語れるものでもなければ、職能資格制度だけでも語れるものでもないのです。
倉重:新卒一括採用だけで日本型雇用は語れないと。
山本:そうです。会社以外の労働市場、社会環境も含めて、全部セットで成り立っている社会システムなのです。僕自身も授業で彼らとやり取りしている間に、だんだんと理解が深まってきました。そうこうしている間に、今年、コロナ禍をきっかけに「ジョブ型だ」「メンバーシップ型だ」という議論が始まりました。どうも世の中の議論というのは、どこか一部だけを抜き出していたり、人事制度論になっていたりするところが強くて、違和感を覚えています。 

Kurashige_20201208202001 私の場合、政策研究大学院大学で、アジア、アフリカ、東欧等からの留学生を相手に日本の雇用政策と人事労務管理を英語で講義しなければならず、おぼつかない英語で日本の人事管理のテキストをそのまま英訳したようなことを喋っていると、お前の言っていることは全然理屈が通っていなくてさっぱりわからんという矢が次々に飛んでくるという中で、否応なしに、なぜ彼らには、日本人にとって当たり前のことが全然通じないのかを必死に考えざるを得なかったのが、ジョブ型、メンバーシップ型というアイディアの出発点ですから、やはりそういう文化摩擦の経験が大事なんですね。

そういう経験をしたことがないと、ジョブ型というのが指し示しているリアルな社会のありようが全く理解できず、某濱口罵倒三羽烏候補生みたいに、「素人談義」だなどと自らのド素人ぶりを露呈してしまい、しかもそこのことに生涯気が付くことがないまま一生を終えてしまうわけです。

 

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コメント

2020年代の今はどうだか分かりかねますが…、小職が人事コンサルだった成果主義全盛の00年代は人事コンサルの世界は意外にも狭く、世に名前を知られた少数のカリスマ人事コンサルタントの元に弟子入りせんと一部の外資人事コンサルファームにみんな群がったものです。〜ご本人はきっと覚えてないと思いますが、山本さん率いるPWC人事コンサルチームに私も30代半ばに一度お世話になりかけた事がありました…。

さて、ここではジョブ型ガジェット小噺の一つとして「JDは、誰がどのように作成すべきか?」という具体的テーマを。

結論を先に言えば、JD作成に「ザ.正解」はありません。JDは作れる人が作ればよいのです。当たり前すぎる話ですが、その仕事の中身を詳しく知らないままではJDは生まれません。米国HRMの教科書には、JD作成の主な手法として、①本人が自分で作成する、②マネジャーが作成する、③人事部や外部専門家(人事コンサル)がヒアリングまたは行動観察の上で作成する、④人事部や外部専門家が自らその職務を体験の上で作成する、⑤人事部や外部専門家がデスクリサーチで作成する、等が挙げられています。それぞれの手法にメリットデメリットがありますので、上記いずれかの手段で作成したドラフトを別の手段で他者がレビューするのが現実的なアプローチでしょう。そして、最終的には人事部が全社的観点で整合性をチェックする訳です。

ひとたびJDが出来上がった後のステップは、「職務分析」「職務評価」「ジョブグレード設定」「ペイグレード設定」「ジョブタイトル決め」といった一連のテクニカルな作業が待ってます。これらの客観性と公平性を担保するためには外部専門家のサポートを借りるのが良策でしょう、とりわけ大企業の場合は。ひとまず、今日はここまで。

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