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2020年12月10日 (木)

久米功一『「働くこと」を思考する―労働経済学による問題解決へのアプローチ』

9784502366413_430 久米功一さんより新著『「働くこと」を思考する―労働経済学による問題解決へのアプローチ』(中央経済社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

https://www.biz-book.jp/%E3%80%8C%E5%83%8D%E3%81%8F%E3%81%93%E3%81%A8%E3%80%8D%E3%82%92%E6%80%9D%E8%80%83%E3%81%99%E3%82%8B%E2%80%95%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%95%8F%E9%A1%8C%E8%A7%A3%E6%B1%BA%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81/isbn/978-4-502-36641-3

働くことの課題を考えるために多様なテーマ(外国人労働、障害者、高齢者、LGBT、発達障害、幸福度、結婚・出産・育児、病気・介護、副業・起業、AI等)を通じて解説。

はしがきによると、本書は東洋大学における「労働経済学B」の講義内容だそうです。「労働経済学A」が標準的な教科書による経済理論であるのに対して、このBはテーマ別で、しかも夜間講義なので社会人学生も多く、まさにそういうのにぴたりと当て嵌まる内容になっています。目次は以下の通りですが、どちらかというとメインというよりは中くらいのしかし結構いろいろ論点の詰まったトピックを取り上げて料理していて、一般読者にも興味深く読めるものになっています。

第1部 働く人
第1章 外国人労働者 
    ―日本でどのように受け入れられているか
第2章 障害者雇用 
    ―就労は自立につながるのか
第3章 高齢者雇用 
    ―年齢にかかわりなく働くにはどうすればよいか
第4章 LGBT 
    ―多様性を尊重する社会が何をもたらすか

第2部 能力・スキル・価値観
第5章 発達障害・認知特性
    ―自分や他者の認知特性を知って活かす
第6章 幸福度・価値観
    ―人は何のために働くのか
第7章 さまざまな能力と能力開発 
    ―誰がどのように能力や努力を認めるのか

第3部 仕事と生活の両立
第8章 結婚・出産・育児 
    ―夫婦はいかにして仕事と家庭を両立させるか
第9章 病気,介護 
    ―自分や他者のからだを労わりながら働く
第10章 多様な働き方 
    ―正規・非正規雇用はこれからどうなるのか

第4部 働き方・働く場所・働けない状態
第11章 感情労働・過剰サービス 
    ―感情の適正な価格を考える
第12章 海外で働く,地方で働く 
    ―どのように現地に適応していくか
第13章 非営利組織,副業・複業,起業する 
    ―その働き方は労働者か事業主か
第14章 知的機械の労働市場へのインパクト 
    ―テクノロジーで自分を変える
第15章 失業と貧困 
    ―いかに困窮状態を脱して,就労につなげられるか 

そのトピックも、外国人、障害者、高齢者といった普通の中くらいのトピックもあれば、LGBT、発達障害、感情労働といった、現時点ではまだ普通のテキストでは小さな論点としても取り上げられていないような、しかしこれから結構重要になってくるようなものも、鋭敏に取り上げてきています。

で、本日お伝えしたいのは、本書には本ブログのエントリがいくつか引かれていることです。いや、ジョブ型・メンバーシップ型みたいなのは拙著から使われているんですが、著書や雑誌論文などではほとんど書いたことがなく、ほとんどもっぱら本ブログ上だけでごちょごちょ書いていたようなことまで、久米さんは目を光らせていたんですね。

第11章の感情労働・過剰サービスのところで、サービス業の生産性の低さについて、本ブログのこれらのエントリを引いて、こう論じているんです。

・・・顧客の要望を察して自ら一手間をかける姿勢は「おもてなし」として快適さを提供する一方、価格に見合わない過剰なサービスは低生産性を招き、サービス提供者の心理的な負担にもなっています。その背景には、こうしたサービスを当たり前のもの、無料のものとして、享受してきた日本人の価値観があります。

そこで引かれているのが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-ce16.html(勤勉にサービスしすぎるから生産性が低いのだよ!日本人は)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-107c.html(スマイル0円が諸悪の根源)

 

いやあ、ここまで見られていましたか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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