EU離脱寸前のイギリスで、ギグワーカーはEU安全衛生指令上の労働者だという判決
本日付のソーシャル・ヨーロッパに、「Gig workers’ rights and their strategic litigation」(ギグワーカーの権利とその戦略的訴訟)というのが載っていますが、EU離脱があと数日後に迫ったイギリスで、プラットフォーム型のギグワーカーを労働安全衛生法の保護から外しているのは、EU労働安全衛生指令に違反するという判決を、イングランドとウェールズの高等裁判所が下したそうです。
https://www.socialeurope.eu/gig-workers-rights-and-their-strategic-litigation
話が複雑なんですが、そもそもEU法の最終的解釈権限は国内裁判所ではなくEU司法裁判所にあるので、この解釈が正しいかどうかは、この事案をEU司法裁に持って行かないと分かりません。
ところが、あと数日後に(協定が結ばれるか無協定のままかは未だ不透明ですが)イギリスはEUから出ていってしまうので、出ていった国はもはやEU裁判所に事案を持って行く道がないはず。ということは、この判決はイギリスの裁判官の判断がEUによって確認されることのないままになってしまうわけですね。
というわけで、なんだかすっきりしない状況ですが、いずれにしても大変興味深い判決であることは確かです。
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