労働新聞に書評
『働き方改革の世界史』の短評が、『労働新聞』の「今週の労務書」に載りました。「古典でたどる欧米の雇用観」
https://www.rodo.co.jp/column/96601/
働き方改革というより、本書では労使関係論の歴史を概観する。英米独仏の11の古典を取り上げ、各国でどのように労働運動が展開し、結果的にどんな考え方が生まれたのか、紐解いていく。「ジョブ型」と一括りにされがちな欧米の雇用システムが、実際には多様な形を経てきたことを学べる。
企業横断的な職業組合を前提とするイギリスの雇用システムを皮切りとして、アメリカにおけるトレード(職業・職種)からジョブ(職務)への移行、ドイツで起こった共同決定に基づくパートナーシャフトなどが紹介される。他方でマルクス主義の本は扱わず、最後の12冊目でようやく国内の本が登場する。“純粋なメンバーシップ型雇用”が続く日本の特異さを改めて思い知らされ、今後向かうべき先を考えさせられる。
短い中に、本書のメッセージを的確に伝えていただいていると思います。
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