清家篤/風神佐知子『労働経済』
清家篤/風神佐知子『労働経済』(東洋経済)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
https://str.toyokeizai.net/books/9784492396544/
多くの人々が生活の糧を得ている労働は、企業の利潤や一国の豊かさの源泉にもなっている。この労働に関わる事柄を経済学的に理解し、現実的に起こっている問題を考えてみようという教科書。
労働経済学の基本的考え方を示す基礎編の第Ⅰ部と,その労働経済学を使って現実の問題を考えてみる応用編の第Ⅱ部という二部構成になっている。
とくに第Ⅱ部は、少子高齢化時代の女性労働、高齢者雇用、第4次産業革命と労働、非正規雇用と人的資本投資など、いま最もホットなテーマを真正面から扱っており、それらの問題について、経済学的な観点と現実をつきあわせて考えるために最適な書。
清家さんは言わずと知れた労働経済学の大家ですが、風神さんは慶應のその後任者で、はしがきによると、清家さんが2002年に旧『労働経済』を出したときには、まだ慶應商学部の学部生だったそうです。
ということで、ちょうど一世代上と下の二人による労働経済学の教科書ということになりますね。
中身は、第一部はまことにオーソドックスな労働経済学のテキストブックで、例えば第2章の労働供給なども、とても丁寧に無差別曲線を導き出し、」労働供給曲線を導き出しています。
一方第二部は様々な労働政策の場に関与されてきた清家さんらしく、各分野の労働政策を論じています。今回の本の特徴はやはり何といっても第12章の「第4次産業革命と労働」でしょう。ここで、日本では第4次産業革命は少子高齢化と相性が良いと言われている点は、いろいろと議論の種になりますね。
第Ⅰ部 基礎編
第1章 労働経済学とは何か
第2章 労働供給
第3章 労働需要
第4章 失業
第5章 賃金
第6章 労働時間
第7章 労働市場における情報の役割
第Ⅱ部 応用編
第8章 経済の構造変化と雇用・労働市場
第9章 高齢者雇用の経済分析
第10章 女性雇用の経済分析
第11章 人的資本投資
第12章 第4次産業革命と労働
第13章 労働力のフロー表
第14章 雇用調整
第15章 労使関係
« 日経新聞テレワーク記事に登場 | トップページ | 山田孝之がユニオン結成へ!@『女性自身』10月13日号 »
コメント