プラットフォーム労働者の団体交渉権の行方
本日、ソーシャル・ヨーロッパに寄稿された「Collective-bargaining rights for platform workers」(プラットフォーム労働者の団体交渉権)は、この問題が今置かれている状況をよく伝えています。筆者はNicola Countouris と Valerio De Stefanoです。
https://www.socialeurope.eu/collective-bargaining-rights-for-platform-workers
この問題の先頭を切って、2年前の2018年、デンマークでプラットフォームによるフリーランス家事労働者(アプリで呼ばれて、介護、家事、清掃、哺育等をする)とプラットフォーム事業者との間で労働協約が締結され、労働界で賞賛されたのですが、その協約にフリーランスの最低報酬(minimum fees)が規定されているのが競争法違反でけしからんと、デンマーク政府の競争・消費者当局が去る8月、最低報酬の支払いをやめるよう命令したというのですね。デンマークの競争法の仕組みはよく分からないのですが、フリーランス労働者の集団的労使関係が競争法当局によってこうできされがちであるというのは、以前オランダの例で取り上げたことがあります。
この問題、最近EU当局のみならず、OECDも強い関心をもっているところであり、引き続きウォッチしていく必要があります。
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