トヨタはジョブ型じゃねえぞ
本日の日経の社説が「年功制が限界に来たトヨタ」。あたかも、日本型雇用の典型であったあのトヨタがジョブ型に舵を切ったかの如く、そういう印象操作をしたくてたまらない感が溢れていますが、
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64680860W0A001C2SHF000/
トヨタ自動車が毎年の定期昇給(定昇)の算定方法を見直す。一律的に上がる部分をなくし、人事評価のみを反映した昇給とすることで労働組合と合意した。
日本型雇用を実践する企業の代表格とされてきたトヨタの動きは年功賃金がいよいよ限界に来た表れだ。デジタル化で企業の競争はかつてなく激しい。他企業も人事・賃金制度改革を急ぐべきだ。・・・
いやいや、今回のトヨタの賃金改革は、朝日のこの記事が詳しいですが、
https://www.asahi.com/articles/ASNB36DLFNB2OIPE02Q.html
職位に応じて一律に決まる「職能基準給」と、評価によって決まる「職能個人給」を、評価に応じて決まる「職能給」に一本化するというものであって、ジョブ型の正反対の「能力主義」をさらにますます全開にするというものなんであって、終戦直後の電産型以来の年齢平等主義の残滓を振り払うという意味では「改革」ではありますが、ジョブ型に向かうようなものでは全くない、ということが、やはり日経記者さんにはよく分かっていないようです。
むしろ、評価項目に「人間力」が加わり、「頑張った人がより報われるようになる」というのは、メンバーシップ型精神のより純化とすら言えるものであって、これでもって、社説の後ろの方に
・・・貢献度に応じた処遇制度の整備は急務だ。職務によって報酬を決める「ジョブ型雇用」は選択肢の一つになる。・・・
などといささか寝ぼけたことを書いているんですから、ちょっと呆れます。頭の中を整理した方がいいと思いますよ。
(追記)
https://twitter.com/treeina/status/1313837841638596614
hamachanも吠えてるやろうなぁと思ってブログみたらやっぱり吠えてた。・・・
(^^;)
« プラットフォーム労働者の団体交渉権の行方 | トップページ | 『猫と東大』 »
権丈善一先生なら、日経新聞には「認知バイアス」があり、「彼らは「代表性」に基づく判断、つまり目立った特徴や単なる表面的にすぎない特徴でもって、物事の類似性を測り、その類似性に基づいて判断をする。おまけに彼らは、確証バイアス――自分の信念を支持する情報ばかりを集め、信念に反する情報を無視または集めようとしないという傾向――も強いようで、生涯、見たいものしか見ることがないために彼らの信念は変わらない。」とおっしゃるところでしょう。
(以上、東洋経済オンライン 2019/8/21付 人はなぜ年金に関して間違えた信念を持つのか
https://toyokeizai.net/articles/-/298502 から引用させていただきました。)
投稿: SATO | 2020年10月 7日 (水) 11時42分
どうも
ここも
コメント
ズレてるなあ
https://news.yahoo.co.jp/articles/2586d7975cafe3fea52d6b977114cb0827ea6dda
ジョブ型の理解が・・・。
投稿: | 2020年10月13日 (火) 07時29分