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2020年9月25日 (金)

教職員組合が、なぜ労働問題に口を出すんですか?

近畿大学教職員組合さんのツイートに、「実際に言われた衝撃的なクレーム」というハッシュタグ付でこんな台詞が

https://twitter.com/unionkin/status/1308256840254324736

「教職員組合が、なぜ労働問題に口を出すんですか?」

いやもちろん、まっとうな常識からすれば何をひっくり返った馬鹿なことをいっているんだということになるはずですが、それが必ずしもそうではないのは、戦後日本では日教組という団体が労働者の権利利益のための労働組合であるよりは、何かイデオロギーをかざす政治団体か思想団体であるかのように思われてきた、場合によっては自らもそう思い込みがちであったという、奇妙な歴史があるからです。

最近もちらりと触れましたが、たとえば広田照幸編『歴史としての日教組』(上巻)(下巻)(名古屋大学出版会)でも、日教組という団体はほとんどもっぱら路線対立に明け暮れる政治団体みたいに描かれていて、学校教師の超勤問題への取組みや、あるいは『働く女子の運命』で取り上げた女性教師の育児休業問題といった、まさに労働者としての教師の労働組合たる所以の活動領域がすっぽりと抜け落ちてしまっているんですね。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-9b3560.html(内田良他『迷走する教員の働き方改革』)

この話は、もう10年以上も前から折に触れ本ブログで取り上げてきているんですが、なかなか認識が進まないところではあります。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_1afe.html(日教組って労働組合だったんだあ。ししらなかった)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/vs_eccf.html(プリンスホテルvs日教組問題の文脈)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_f1e4.html(プリンスホテルの不使用呼びかけ 連合)

この問題を、思想信条の自由の問題とか、政治活動の問題だとか、日の丸君が代がどうとか、ウヨクとサヨクがどうしたとか、そういう類の話だと理解するのであれば、それにふさわしい反応の仕方があるのでしょう。そういう理解のもとにそういう反応をすること自体を否定するつもりはありません。

しかし、日本教職員組合という、教育に関わる労働者の労働組合の大会を拒否したと言うことは、何よりも働く者の団結権への攻撃なのであり、そうである限りにおいて、同じ労働者である以上思想信条の違いを超えて、ボイコットという手段を執ることは労働組合の歴史からして当然のことと言うべきでしょう。

残念ながら、マスコミも日教組をあたかも政治思想集団であるかの如くとらえて、今回の件の是非を論ずるかの如き歪んだ傾向がありますが(まあ、日教組の中にそういう傾向があることも否定できませんが)、労働組合の当然の活動への否定なのだという観点が世間から欠落してしまうことは、やはり大きな問題だと思います。その意味で、さまざまな政治的立場の組合が属する連合が、こういう姿勢を示したことは重要な意味があるでしょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-4ed1.html(日本教職員組合の憲法的基礎)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-2336.html(労働者と聖職の間)

 

 

 

 

 

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