指揮命令のラッファーカーブ
雇用じゃなく請負化しやすいのは、かたや専門技術的な仕事で、いちいち指揮命令しない/できないタイプの仕事。マクロタスクをまとめて請け負うから、請負が不自然じゃなくなる。高度プロフェッショナルなフリーランスというイメージ。
もう一つ請負化しやすいのは、その正反対の単純労働、いちいち指揮命令しない/する必要のないタイプの仕事。ミクロタスクをその都度請け負うから、請負が不自然じゃなくなる。自転車漕いでいろんなものを運んでる人々とか。
ということで、いままで雇用という形式が一般的であったのは、その中間、つまりいくつもの関連するタスクをまとめて「ジョブ」にディスクライブしてその遂行を指揮命令するというタイプの仕事が多かったから。それが典型的な労働者像。
グラフの真ん中で指揮命令の度合が高まり、左右の両端で指揮命令の度合が薄れていく。ラッファーカーブみたいなものかな。
20世紀に確立したジョブ型社会が崩れつつあるかも知れない、というのは、その真ん中の山が崩れて、左右に広がっていくという話なんだが、そのジョブ型が確立しなかった日本では、上下いずれの方向でも、それが崩れてタスク型に行くという話が「さあ、これからジョブ型だ」みたいなおかしな方向にばかりずれまくる。
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ごもっともなお話で、私の職種では、真ん中抜きで両端のみが混在していると言えます。しかも時間的・場所的拘束付きです。
投稿: endou(舞台音響家) | 2020年8月 4日 (火) 18時07分