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2020年8月 5日 (水)

石井知章 on 中国の非正規労働者

現代ビジネスに石井知章さんが「コロナショックで「中国の非正規労働者」が直面している深刻な現実」を寄稿されています。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74531

Img_92192422c828d8ad4bf8ba03e33938a12829 これと同じように、中華全国総工会(中国官製労働組合のナショナルセンター)を中心に、これまで感染拡大予防という「人民戦争」へ広範な労働者が動員されてきた中国でも、とくに広東省を中心に展開してきた底辺労働者による「下から」の労働運動・労使紛争は、いったんは中断を余儀なくされていった。

だが、生産・操業の再開にともない、仕事に戻らないと食べていけない農民工をはじめとする非正規労働者の多くが職場に復帰したことで、労使関係は再度、対立的構図を深めつつある。ここでは中国のコロナ禍における、最近の雇用・労働問題、労使関係の変化について概観する。・・・

石井さんは本ブログでも何回となく取り上げてきましたが、現代中国の労働問題、労使関係を追及している稀有な研究者です。この文章も、あまりマスコミが伝えない中国の中の動きを伝えてくれます。最後のページの「ポスト・コロナ時代の労使関係のポイント」というところを引用しておきます。

これまで見たように、中国におけるコロナ感染症拡大予防に際して、中華全国総工会は労働者個人の権益擁護・拡大といった、平常時における本来の労働組合としての活動(権利)よりも、むしろ全国規模での生産システムを早期に回復すべく、あらゆる分野での労働者を組織的に動員していた。

ここで中国の官製労働組合は、国家的生産秩序の再建を「上から」推し進めるという、いわば非常事態におけるもう一つの使命(義務)を果たしていったことになる。

だが、その背後では、かねてから「下から」の自立的労働運動を展開していた農民工らを中心とする労働NGOを、事実上、全面的に弾圧し、その活動を完全に中断させるという結果を導いていたといえる。

とはいえ、労働NGOが主な活動拠点にしていた広東省以外での、南部主要都市の大企業を含む事業所における「散発的」労使紛争・抗議活動の新たな発生は、「下から」の労働運動の復活の兆しになっていることを示唆している。

したがって、この点での今後の動向が、ポスト・コロナ時代の新たな労使関係の構築にとって、きわめて重要なポイントになることは明らかである。

ちなみに、本ブログで石井さんの研究について触れた過去のエントリをいくつか紹介しておきましょう。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-71c7.html(石井知章『中国革命論のパラダイム転換』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e435.html(『文化大革命の遺制と闘う』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-1c55.html(石井知章編『現代中国のリベラリズム思潮』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-8769.html(『中国リベラリズムの政治空間』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/post-755a.html(石井・緒形・鈴木編『現代中国と市民社会』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-ce30.html(『文化大革命』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-6997.html(石井知章編著『日中の非正規労働をめぐる現在』)

これは、私も一章書いています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-6c78f7.html(周保松・倉田徹・石井知章『香港雨傘運動と市民的不服従』)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-97baf9.html(石井知章・及川淳子編『六四と一九八九』または「進歩的」「左派」の「歴史修正主義」)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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