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2020年7月 9日 (木)

骨太方針の原案

昨日の経済財政諮問会議に、いわゆる骨太方針、経済財政運営と改革の基本方針2020の原案が出されたようです。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0708/agenda.html

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/0708/shiryo_02.pdf

もちろん、いろんなことが書いてありますが、本ブログの関心は働き方にかかわるところです。

17ページの「①働き方改革」のところを見ると、

(3)新しい働き方・暮らし方
① 働き方改革
 働き方改革関連法29の着実な施行に取り組むとともに、感染症への対応として広まったテレワークがもたらした、新たな働き方やワーク・ライフ・バランスの取組の流れを後戻りさせることなく最大限活かし、従業員のやりがいを高めるためのフェーズⅡの働き方改革に向けて取組を加速させる。労働時間の管理方法のルール整備を通じた兼業・副業の促進など複線的な働き方や、育児や介護など一人一人の事情に応じた、多様で柔軟な働き方を労働者が自由に選択できるような環境を整備し、RPAの活用を含む更なる生産性向上に向けた好循環を作り出す。あわせて、不本意非正規雇用の解消を図る。
 テレワークの定着・加速を図るため、新たなKPIを策定するとともに、中小企業への導入に向けて、専家による無料相談対応や全国的な導入支援体制の構築など各種支援策を推進する。さらに、事業場外みなし労働時間制度の適用要件に関する通知内容の明確化や関係ガイドラインの見直しなど、実態を踏まえた就業ルールの整備に取り組む
 テレワークの浸透に伴い、個人の職務の内容や責任の更なる明確化が求められている現下の状況を、業務等の遂行に必要な知識や能力を有するジョブ型正社員の更なる普及・促進に向けた格好の機会と捉え、必要な雇用ルールの明確化や各種支援に取り組む
 こうした中で、労働者が職務の範囲内で裁量的・自律的に業務を遂行でき、企業側においても、こうした働き方に即した、成果型の弾力的な労働時間管理や処遇ができるよう、裁量労働制について、実態を調査した上で、制度の在り方について検討を行う
  政府として一体的にフリーランスの適正な拡大を図るため、保護ルールの整備を行う。 

労働法制にかかわる部分を太字にしましたが、このうち今回のコロナ禍で注目され、(もちろん数年前から政策課題に上がっていたとはいえ)特に今回問題意識が盛り上がってきているのは、テレワークの関係での事業場外勤務ガイドラインの見直しと、フリーランスの保護ルールの整備でしょう。

このうちフリーランスについては、去る7月3日の未来投資会議に出された成長戦略実行計画案でも、かなり詳細な記述がされています。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai40/index.html

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai40/siryou1-1.pdf

2.フリーランスの環境整備
フリーランスについては、内閣官房において、関係省庁と連携し、本年2月から3月にかけて、一元的に実態を把握するための調査を実施した。その上で、当該調査結果に基づき、全世代型社会保障検討会議において、政策の方向性について検討し、以下の結論を得た。
フリーランスは、多様な働き方の拡大、ギグエコノミーの拡大による高齢者雇用の拡大、健康寿命の延伸、社会保障の支え手・働き手の増加などの観点からも、その適正な拡大が不可欠である。
さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、フリーランスとして働く人に大きな影響が生じており、発注のキャンセル等が発生する中、契約書面が交付されていないため、仕事がキャンセルになったことを証明できない、といった声もある。
こうした状況も踏まえ、政府として一体的に、フリーランスの適正な拡大を図るため、以下の保護ルールの整備を行う。 

と、その後に書かれているのは主として公正取引委員会所管の独占禁止法による優越的地位の濫用を用いた保護なんですが、これは本ブログで何回か書いているように、独占禁止法、あるいは広く競争法は、フリーランスの団結に対して否定的に働く可能性が高く、フリーランス保護をそっちでばかりやるのはかなり問題があります。むしろ、最近はOECDあたりが先頭に立って、自営業者の団体交渉権を認めようというキャンペーンを張り出している状況なので、そういう方面の動きもきちんと追いかけておかないと、あらぬ方向にいきかねません。

それがしばらく続いた後に、やや唐突にこういう一節が出てきます。

(現行法上「雇用」に該当する場合)
フリーランスとして業務を行っていても、(a)実質的に発注事業者の指揮監督下で仕事に従事しているか、(b)報酬の労務対償性があるか、(c)機械、器具の負担関係や報酬の額の観点から見て事業者性がないか、(d)専属性があるか、などを総合的に勘案して、現行法上「雇用」に該当する場合には、契約形態にかかわらず、独占禁止法等に加え、労働関係法令が適用されることを明確化する。 

これは例の1985年の労働基準法研究会の労働者性判断基準ですが、判断要素自体はそういうことなんですが、もう少し現場で使いやすいように操作性の高いものにしていかないと、そもそもそれが「現行法上「雇用」に該当する場合」に該当するかどうかで頭を悩ますことになってしまいます。裁判所に行かないとわからないのでは(弁護士以外には)使い物にならないので、ここは検討が必要なところでしょう。

なおそのさらに後に、先日労政審労災保険部会で審議が始まった労災保険の特別加入のことも書かれています。

 (4)労働者災害補償保険等の更なる活用
フリーランスとして働く人の保護のため、労働者災害補償保険の更なる活用を図るための特別加入制度(※)の対象拡大等について検討する。また、フリーランスとして働く人も加入できる共済制度(小規模企業共済等)の更なる活用促進を図る。
併せて、フリーランスとして働く人のリモートワーク環境の整備を支援する。

 

 

 

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