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2020年7月28日 (火)

「ジョブ型」を言い出したのは誰か?

こたつさんと焦げすーもさんが「ジョブ型」って言葉を言い出したのは誰か?をめぐって論争(?)しているようですが、

https://twitter.com/ningensanka21/status/1287016917979394050

「ジョブ型」のフレーズを作ったのは木下武夫先生だと昔どっかで聞いたような。

https://twitter.com/yamachan_run/status/1287218971809214464

起源はよくわかりませんが、hamachan先生のネタ元は田中博秀氏という労働官僚のようですね。

https://twitter.com/ningensanka21/status/1287228009909379075

そういえばそういうのありましたね。木下先生のは「ジョブ型正社員」でしたかね。記憶が曖昧ですが、何かは木下先生だったと聞いた気がします。

まず、「木下武夫」→「木下武男」ね。人の名前は慎重に。

次に、私のネタ元は、これまでの日本の労働研究の総体です、キリッ。「就職型」と「就社型」とか、「職務型」と「所属型」とか、いろんな人がいろんな言い方をしてきたほぼ同じコンセプトに、「ジョブ型」と「メンバーシップ型」という新たなラベルをぺたりと貼り付けただけ。

田中博秀さんもその一人ですが、実はその中でも特にネタ元としての性格が強いのは、他の論者に比べて、新卒採用の局面に最も注目して、そこに日本型雇用の本質を見いだしているところでしょう。特に、労働法系の人はどうしても解雇の局面に一番本質を見いだそうとしがちですが、入口に一番着目した点が田中さんのポイントで、だから『若者と労働』では主として田中著を引用する形で論を進めたのです。

ですが、田中さんは「ジョブ型」なんて言葉は使っていません。

ciniiで「ジョブ型」を検索してみると、タイトルでは2010年2月の木下武男さんの「「年功賃金」は持続不可能 「ジョブ型賃金+福祉国家」で」(『エコノミスト』)が初出ですが、全文検索では(オペレーションズリサーチ系のものを別にすれば)2009年7月のやはり木下武男さんの「雇用をめぐる規制と規制緩和の対抗軸」(『季刊経済理論』)が最初のようです。ここでは既に「ジョブ型正社員」という言葉が登場しています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/peq/46/2/46_KJ00009409281/_pdf/-char/ja

とすると、やはり「ジョブ型」という言葉を最初に用いたのは木下武男さんということになりそうですが、実はそれより前の2008年4月のリクルートの『Works』に「三種の神器を統べるもの」というインタビュー記事が載ってて、これはciniiの全文検索では引っかかってこないのですが、リクルートワークス研究所のサイトに全文アップされていて、

https://www.works-i.com/works/item/w_087.pdf

このなかで「ジョブ契約」「メンバーシップ契約」という言い方をしています。

ただ、「ジョブ型正社員」という言い方自体は、私の場合2010年2月に『労基旬報』に寄稿した「ジョブ型正社員の構想」が初出ですので、木下さんよりはあとになります。

41zgbjhq23l_sx290_bo1204203200_ まあでも、これってたかが言葉尻の話であって、そもそも木下さんは1999年に出した『日本人の賃金』(平凡社新書)の中で、職務型賃金への移行を強く主張していますし、遡れば高度成長期にはそういう議論は山のようにあったものなので、どっちが先とかあととかあんまり意味のない議論です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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