生産性の向上には・・・適切な価格設定だ
本日の日経新聞で、「最低賃金 労使に聞く」として、日商の三村会頭と連合の神津会長が見解を述べてます。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61359800Z00C20A7EE8000/
2020年度の最低賃金を巡る政労使の議論が本格的に始まる。第2次安倍政権のもとでは16年度から年3%ペースで引き上げが続いてきた。その流れが新型コロナウイルス禍で変わりつつある。経営者、労働組合それぞれの代表に考えを聞いた。・・・
もちろん、読まなくたって何を言っているかは全部想定通りですが、三村さんのインタビューの最後のあたりは、最低賃金引上げ反対というそのスタンスにもかかわらず、実は賃金を上げろという議論と同じ構造になっています。
「適切な価格設定だ。中小企業の労働生産性はバブル崩壊後に低下した。大企業に協力し、中小は納品価格を下げた。リーマンショック時も同様だった。景気が回復しても是正されていない。サプライチェーン全体で費用を分担する必要がある。」
このロジックには全面的に賛成です。生産性が低いというのは、要するに買い叩いているからだ、と。
ですが、このロジックは、主語だけを入れ替えれば、まったく同じ構造でこうもいえます。中小企業を労働者という労務提供者に、大企業を労働者が労務を納品する相手方たる経営者に置き換えれば、
--生産性の向上には何が必要ですか
「適切な労務価格設定だ。労働者の労働生産性はバブル崩壊後に低下した。経営者に協力し、労働者は労務の納品価格を下げた。リーマンショック時も同様だった。景気が回復しても是正されていない。労務のサプライチェーン全体で費用を分担する必要がある。」
ほとんどなんの違和感もないですね。
いやもちろん、大企業が中小企業を買い叩いているのに、中小企業がそこで働く労働者の納品価格だけを引き上げたら、
・・・廃業する中小企業が相当出てくる。・・・
と言いたいわけで、そこは筋は通っています。
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コメント
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となると
これは、、
https://youtu.be/_ZzepyydF10
投稿: きんきん | 2020年7月14日 (火) 14時02分