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2020年7月24日 (金)

職務記述書と職務経歴書は全然違うよ又はジョブ型が全然分かってない人ばかり騒いでいる件について

楠正憲さんがこうつぶやいていたのを見て、不思議に思い、

https://twitter.com/masanork/status/1286461662371831808

460540e9dadc7761ba39f1a43f3a25a4_400x400 あれ?職務経歴書って求職者ではなく会社がつくるもんだっけ→日立は、2021年3月までにほぼ全社員の職務経歴書を作成し、2024年度中には完全なジョブ型への移行を目指している / “日立、富士通、資生堂…大企業ジョブ型導入で崩壊する新卒一括採用 | Business Insider Japan”

そのリンク先のをビジネスインサイダーを見てみると、確かに、

https://www.businessinsider.jp/post-215432

Ma5418w1280 日立の人事戦略の中核人物として、ジョブ型導入の指揮をとるCHRO(最高人事責任者)中畑英信氏は、Business Insider Japanの取材に対し、そう話す。
日立は、2021年3月までにほぼ全社員の職務経歴書を作成し、2024年度中には完全なジョブ型への移行を目指している。背景にあるのが、ビジネスモデルの転換だ。 

日立の中畑CHROが「全社員の職務経歴書」と言っていることになっていますが、しかし、日経ビジネスの記事では、「全職種の職務記述書」です。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/052701214/

P1 「全職種のジョブディスクリプション(職務記述書)を2021年3月までに作成する」。日立製作所のCHRO(最高人事責任者)を務める中畑英信執行役専務は26日、いわゆる「ジョブ型」の人材管理への転換を加速する方針を示した。ジョブ型は、職務を明確にした上で最適な人材を採用・配置する手法で、欧米などで一般的だ。日本の多くの企業は職務を限定しないで人材を採用している。

いうまでもなく、ジョブ型っていうのは初めにジョブがあり、そこに人を当てはめるのですから、最初に作るべきはもちろん(どんな経歴の人がそこに来るかにかかわらず)当該そのジョブがいかなるジョブであるかを記述(ディスクライブ)したジョブ・ディスクリプションであって、その人が今までどんな仕事をしてきたかを記述した職務経歴書なんかではないわけです。

職務記述書なんかなくってもいいから、何はなくともまず当該その人間がいかなる人間であるかをわかるための職務経歴書が一番大事だというのは、ジョブ型とは正反対のメンバーシップ型の典型的な発想なんですけどね。それを、自分では主観的にジョブ型を喧伝するために書いているつもりの文章の中に、平然と持ち出してこれるその精神がすさまじいというか、なんというか。

っつうか、今ジョブ型、ジョブ型と、意味も分からず騒いでいる有象無象の方々が、いかにジョブ型という概念の基本のキのそのまたイロハのイの習わぬ経を読む門前の小僧ですらわかっていてしかるべきことを、すっぽりと脳みその中から抜け落としたままで、やれ「これからはジョブ型だぜい」と騒ぎまくっているかということが、いやというくらいよく分かるエピソードではありますな。

ざっとみて、いま「ジョブ型」で検索して出てくる記事の相当部分は、「なんだか今流行しているらしい」ってんでろくろく基本書も読まずにライターさんが適当に書き飛ばした文章だと思って間違いはないんでしょう。

まずは基本書を読んで雇用システムの基本概念をしっかり勉強するところから始めてもらいたいですな。

 

(追記)

ちなみに、楠さんなどごく少数を除き、上記ビジネスインサイダー記事に対してほとんど誰もなんの疑問を持たずに素直にツイートしている様子が、この話題に対する諸氏の理解の程度が浮き彫りになっていて、大変興味深いところです。つうか、これっぽっちも分かってねえくせに、お前らいっちょ前に「ジョブ型」とかほざくんじゃねえや。

https://twitter.com/search?q=https%3A%2F%2Fwww.businessinsider.jp%2Fpost-215432&src=typed_query

 

 

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コメント

これはこれは…。Hamachan先生、いつになく(いつもながら?)一見さんライターに手厳しいですね(苦笑)…。新しい概念なり用語(特に本来的に専門用語であった言葉)が晴れて「市民権」を得て、大衆に広まっていく過程においては、このくらいの勘違いなり誤解は許容してさしあげて宜しいかと思いますが…。

さて、採用活動に関する余談ですが…、一般的な外資系ジョブ型企業における採用活動は、候補者のCV(履歴書、職務経歴書)と求人ポジションのJDをマッチングさせる行為とも言えます(CVスクリーニングという言い方をよくします)。そのマッチングの触媒となってくれる方こそが、マーケットにごまんと存在し暗躍する採用エージェントです。彼らエージェントは、企業側から成功報酬を貰うこと(例、オファーレター記載の理論年収の30%)で成り立っている仕事ですので、本来的にあくまでも採用する企業側の「代理人」であって、求職活動している候補者の代理人ではありません(もっとも、候補者が作ったCVがお粗末な場合にはエージェント自ら手を入れて「仕立て直し」することもあるようですが…)しかしながら、長続きする真に優秀な採用エージェントは、採用側と求職者側の両方から「自分の代理人」と思わせることができる、不思議な能力を持っているようです。

いや、ブログとかに書いてる素人さんならこんなこと言いません。こういう記事で原稿料稼いでいるのかと思うと、言葉がきつくなります。

本文はやや感情の赴くままに書きましたが、もう少し細かく言うと、本当にいかなるジョブをやってきたかという「職務経歴書」であれば「メンバーシップ型の典型的な発想」とは必ずしも言えないですね。
日本の(往々にして「男の顔は」と言われる)「履歴書」ってのは、いかなる部署に属していたか、いかなる肩書を掲げていたか、ということなのであって、厳密に言えば「職務経歴書」というには及ばないものなのでしょう。

> (往々にして「男の顔は」と言われる)「履歴書」ってのは、いかなる部署に属していたか、いかなる肩書を掲げていたか、ということ
 
性差別の温床、ということを暗示しているような感があります。
履歴書には(日本的?)学歴も含まれる訳です。
また「趣味」なんて欄もあることが多いですね。

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