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2020年7月23日 (木)

リモートワークの変曲点@労働組合の視点

Christy_hoffmanremovebgpreview1250x250 例によってソーシャル・ヨーロッパの記事の紹介です。今回はサービス分野の労働組合のUNIグローバルユニオンのクリスティ・ホフマン事務局長と国際労連のシャラン・バロウ事務局長による「Remote working—an inflection point?」(リモートワーク-変曲点?)という文章。二人とも女性です。

https://www.socialeurope.eu/remote-working-an-inflection-point

コロナ禍でリモートワークが激増したという話の上で、

What does this mean for workers? Working from home can be desirable, indeed a life-saver for many, especially those facing long commutes alongside family responsibilities. It can help restore some work-life balance, so long as it is accompanied by the ‘right to disconnect’ at the end of a reasonable day.
The situation is however ripe for abuse. It is only ‘win-win’ when there are measures in place to ensure dignity, to preserve the employment relationship and to enable freedom of association.

これは労働者にとって何を意味するか?在宅勤務は望ましいものであり得る。確かに多くの者にとって、とりわけ家庭責任を持ちながら長距離通勤せねばならない者には命を救うものだ。まともな一日の終わりに「つながらない権利」があるならばワークライフバランスを回復することもできる。

Sharanburrow250x250 しかしながらこの状況は濫用の危険に満ちている。これが「ウィンウィン」となるのは、尊厳を確保し、雇用関係を維持し、結社の自由を可能とする限りにおいてである。

この「濫用」の意味がわかりにくいかもしれません。「雇用関係を維持」云々というのは、リモートワークを雇用ではなく請負にしてしまおうという「濫用」を言っているのです。

Unions must also guard against remote work becoming a pathway towards the informalisation and ‘Uberization’ of these workers. It is easy to imagine how the lines between ‘remote’ work and ‘platform’ work could blur, as work devolves into commercial contracts, such as ‘pay by project’ independent-contractor arrangements, or old-fashioned piece work easily outsourced to lower-cost destinations. 

組合はまたリモートワークがこれら労働者のインフォーマル化と「ウーバー化」への道とならないよう守らなければならない。労働が「プロジェクト払い」の独立自営業や容易に低コスト地域にアウトソースできる古典的な出来高払いのような商事契約に陥るならば、「リモート」ワークと「プラットフォーム」ワークの間の線引きがいかに曖昧になるかは容易に想像できる。

日本でテレワークの議論をするときには、もう始めから雇用型テレワークと自営型テレワークを分けて議論しますが、雇用型テレワークが出来高払い(成果主義の古典的形態)になればなるほど、実は自営型テレワークと区別がしにくくなるのは確かなんですね。

We are, truly, at a inflection point and, although there are many positives, there are plenty of red flags. Workers’ representatives must be at the tables of power—with employers, governments and international bodies—to negotiate the conditions of this transition. That is the only way to make sure that, as the workplace of the past is left behind, workers’ interests are not.

我々は確かに変曲点におり、そこには多くのメリットがあるが、同時に赤旗(危険信号)に満ちている。移行の条件を交渉するために、労働者の代表が使用者、政府、国際機関と交渉のテーブルにつかなければならない。過去の職場が過ぎ去っていく中で、労働者の利益までもが追いやられないようにするには、これが唯一の道である。

この危機感は、日本でももっともたれてもいいように思います。あまり認識している人はいないかもしれませんが、1985年の労働者性の判断基準に関する労働基準法研究会報告において、一般論の後で、具体例として論じられていたのは、傭車運転手と並んで在宅勤務者だったんですよ。

 

 

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