橘大樹・吉田寿・野原蓉子『パワハラ防止ガイドブック』
讃井暢子さんより、橘大樹・吉田寿・野原蓉子『パワハラ防止ガイドブック 判断基準、人事管理、相談対応がわかる』(経団連出版)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。そしてこれまでいつもいつも讃井さんが刊行された来た大事なご本をお送りいただいてきたことに、改めて心から感謝申し上げたいと思います。
さて、本書はタイトル通り、今月から施行されたパワハラ措置義務に対応して各企業が何をどのようにしたらいいのかを丁寧に解説している本です。
過去3年間に、パワハラ(パワーハラスメント)を受けたと感じた経験がある人は、従業員のおよそ3人に1人ともいわれています。このような状況の中、労働施策総合推進法が改正され、パワハラの防止措置が企業に義務づけられました。パワハラとは何かも定義されましたので、それに沿った対応が企業には求められます。また、もし問題が生じた場合は、パワハラ加害者本人が不法行為責任を負うだけでなく、使用者(企業)も法的責任を問われかねません。
本書では、パワハラ指針の概要や企業のとるべき対応策、過去の裁判例に加え、人事管理のポイント、相談対応とトラブル防止の具体策などをわかりやすく解説しました。「過小な要求」「過大な要求」「人間関係からの切り離し」もパワハラになること、部下から上司へのパワハラもありうること、「職場」とは会社内だけではないこと、パート社員なども対象になることなどを正しく理解するとともに、働きやすい職場づくり、相談窓口の充実に向け、本書のご活用をお勧めします。
特に第3章の「相談対応のポイント」では、訴えを受けたときの初動対応、相談者(被害を受けた人)や行為者(とされた人)へのヒアリングのポイントが詳しく解説されていて、まさに親切なガイドとして役に立ちます。
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