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2020年6月20日 (土)

荒木尚志『労働法 第4版』

L24317 荒木尚志『労働法 第4版』(有斐閣)をお送りいただきました。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641243170

最近は、労働法の教科書といえばほぼ2年おきの改訂がデフォルトルールとなりつつあり、中にはせわしなくも1年おき改訂に近づいているものすらありますが、その中でこの荒木テキストは、ほぼ3年半おきという、ややゆっくり目の改訂ペースを保っていて、前回改定からどれくらい変わったかなというのをページをめくりながら探すのが楽しみな一冊です。

今回の改訂では、いうまでもなく働き方改革による改正が取り上げられていて、やはり例の同一労働同一賃金のあたりの記述が気になりますよね。

・・・・こうした中で、2016年1月に安倍首相が非正規雇用の待遇改善のために同一労働同一賃金の実現に踏み込む旨を宣言し、にわかに同一労働同一賃金導入論が沸き起こった。・・・同一労働同一賃金導入論は意外感を持って受け止められる政策提言であった。その提言は、当初は文字通り同一労働同一賃金原則を法律上明定するとしていたが、その後条文化に当たっては「合理性的理由(ママ)のない処遇格差禁止」として立法化すべきものとの説明がなされ、最終的には、労契法20条同様、「不合理な相違の禁止」という政策的格差是正規制に落ち着くこととなった。

政府は「同一労働同一賃金」というスローガンによって、正規・非正規雇用の格差是正の法改正を行った。しかし、この表現は法的には不正確で、誤解を招きかねない・・・・・

今となっては、これはあまりにも当たり前の評価の言葉としか思えないでしょうが、その安倍首相の発言当時、うかつにも日経新聞のインタビューで素直にもこういう趣旨のことをしゃべって、それがそのまま記事になった私からすると、実に様々な感慨が去来するところがあります。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO96617230X20C16A1NNS000/(同一労働同一賃金、難しい 労働政策研究・研修機構主席統括研究員 浜口桂一郎氏)

安倍首相が施政方針演説で「同一労働同一賃金の実現に踏み込む」と発言したことに驚いた。非正規社員の「均等、均衡待遇を確保する」という表現なら分かる。正社員化を進めたり、正社員の処遇に近づけたりする、という従来の取り組みの延長線上だからだ。
同一労働同一賃金は意味が全く違う。同じ仕事内容に対して同じ賃金を払う考え方は欧米では一般的だが、日本では難しい。日本の正社員は仕事の範囲があいまいで・・・・・ 

 

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