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2020年5月11日 (月)

税法上の労働者性と事業者性

今回のコロナ危機は、雇用労働者と非雇用労働者のはざまをめぐる様々な問題を表舞台に引きずり出す効果を果たしていますが、その中でも特に、これまであまり注目されてこなかった税法上の労働者性と事業者性の判断基準が労働法や社会保障法上の判断基準と食い違っていることの問題点が露呈しつつあるようです。

これはしんぶん赤旗の記事ですが、

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-05-09/2020050902_02_1.html

 新型コロナウイルス感染拡大や政府の自粛要請により収入が大幅に減少したフリーランスや中小企業を支援する持続化給付金をめぐり、税務署の指導に従って主たる収入を「雑所得」「給与所得」として申告してきた人たちが対象外とされる事態が起きています。日本共産党の宮本徹議員が8日の衆院厚生労働委員会で改善を求めたのに対し、政府は“審査の簡素化”を理由に後ろ向きの姿勢に終始しました。
 宮本氏は、同給付金の対象が「事業所得」の5割以上減少となっていることで、対象から漏れるフリーランスが多数おり、インターネット上で改善を求める署名活動が行われていると指摘。「あるミュージシャンは最初に税務署に相談した際、『雑所得』として申告してほしいと言われた」などと確定申告の実態を示し、対象の線引きを早急に改善するよう求めました。
 牧原秀樹経済産業副大臣は、そうした事例が自身にも寄せられていると認める一方、「極力簡素な仕組みとし迅速に給付するのが制度の趣旨」「背景を一つひとつ把握することは困難だ」と、改善に慎重な姿勢を崩しませんでした。
 宮本氏は「迅速な給付が必要なのは、それほど窮しているからであり、切り捨てることなど許されない」と批判。議場で与党席からも同様の事例を「聞いた」との声が出たとして、与野党を超えて改善へ動くべきだと強調しました。

労働者性の問題を論じる人々も、今までは労働法や社会保障法の枠内での議論に限られ、所得税法における給与所得、事業所得、雑所得の判断基準と絡めた議論というのはほとんどなされてこなかったのですが、それは、労働法や社会保障法では労働者性を認めるほうが得になるケースが多いのに対して、税法上では逆のケースが多く、税務署の方が給与所得にしたがる傾向があったからなのでしょう。そして両者の関係はほとんどの人の脳裏からは消えていたのでしょう。

コロナ危機は、雇用と非雇用をまたぐ形でのセーフティネットの必要性が高まり、それを既存の制度の延長線上でつぎはぎでやらざるを得ない状況なわけですが、そうすると、上の記事にあるように、事業者だと思って持続化給付金を請求しようとすると、税法上は給与所得になっているから労働者だ、事業者じゃないから持続化給付金はもらえないとなり、では労働者だと思って雇用調整助成金を請求しようとすると、労働法上は指揮命令が無いから労働者じゃないということになり、両者のはざまに落っこちてしまうわけです。

これは役所を超えた判断が求められる問題なので、こういうことこそ高度な政治判断が必要なのでしょう。

 

 

 

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