フォト
2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 税法上の労働者性と事業者性 | トップページ | 殴る相手 »

2020年5月11日 (月)

イギリスとドイツのコロナ雇用対策

Kim_hoque JILPTのHPに、イギリスとドイツのコロナウイルスにかかる雇用対策に関するレポートがアップされました。

まずイギリスは、ウォリック大学ビジネススクール教授のキム・ホークさんによる「賃金の8割を助成する解雇防止策を導入」です。

https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2020/05/uk.html

 政府は、企業による従業員の一時解雇を防ぐ試みとして、新型コロナウイルスの流行が原因で事業の継続に困難が生じた雇用主に対し、月額2,500ポンドを上限として賃金の80%を助成すると発表した。助成を受けるには、従業員を「一時帰休」(furlough-一定期間の正式な休暇の付与)としたことを歳入関税庁に届け出る必要がある。賃金助成は、ウイルスが原因で従業員を一時解雇した企業が、従業員をいったん復職させた後に一時帰休とする場合にも適用される。 

日本の雇用調整助成金、ドイツの操業短縮手当のような仕組みがようやくイギリスに登場したわけです。

大企業中心のCBIは歓迎していますが、

 経営側はこの発表を歓迎している。英国産業連盟(CBI)は、イギリス経済の反攻開始を示す「ランドマークとなる対策パッケージ」と評して、経済が最小の損害で危機から浮上する一助となるだろう、と述べている。シンクタンクResolution Foundationも、この対策は特に失業リスクが高い低所得労働者に手を差し伸べるものであり、大いに歓迎する、としている。 

ホスピタリティ産業、小企業はこういう不満を漏らしているようで、

 しかしながら、企業が助成金を受け取るまでに時間を要する点を不満とする経営者団体もある。ホスピタリティ産業の業界団体であるUK Hospitalityのケイト・ニコルズCEOは、多くの企業では助成金の受け取りまでに賃貸料の支払に直面する点を強調し、この時間的ギャップを企業が克服するには、さらなる支援が必要だと指摘している。
 また、小企業連盟(Federation of Small Businesses)も、文字通り一夜にして収入が激減した多くの中小企業にとって、4月末までともみられる助成金受け取りの遅れは、依然として致命的になりかねない資金不足の危機に直面し続けることを意味する、と警告を発している。 

このあたり、日本のサービス産業や中小企業から雇用調整助成金に不満が出ているのとよく似た状況のようです。さらに、自営業者に対する対策をめぐっても

 国内の500万人あまりの自営業者に、支援の手が差し伸べられていないことも、懸念されている。リサ・ナンディ労働党議員は、経済的な余裕がないために自己隔離できないケースが多発することを防ぐには、法定傷病手当の支給対象を自営業者にも拡大する必要がある、としている。自営業者への支援については、財務大臣に幾度も要望が提出され、大臣は近日中に支援策を発表すると回答してきた。
 しかし、財務大臣は、公平な自営業者の支援制度の策定には、複雑な問題がある点を強調している。公平性を確保するための方法の一つは、前年の確定申告に基づく補償だが、この場合、パンデミックが原因で収入が減少している層を特定することは不可能である。従って、ほんとうに支援を必要としている人々を助けるような制度の設計が課題である。
 スティーブ・バークレイ財務副大臣も、実際に給付を請求する自営業者は500万人を大きく下回ると予想される点を強調している。うち100万人は、納税申告額が2,000ポンドに満たず、従って主として本業の収入を補う副収入源とみられる。また、このほかにも100万人前後が、すでにユニバーサル・クレジットを受給している。それでも多くの議員は、制度を不完全な形で導入する結果として支援を必要としない人も給付対象になるとしても、あえて迅速に行動するよう政府に強く求めている。 

というのも、日本と同様、というか今や世界各国同様の問題状況に迫られているということですね。

Hartmut_seifert 続いてドイツについては、こちらはお馴染みのハルトムート・ザイフェルトさんです。

https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2020/05/germany.html(異例な時期には、異例な対策が必要)

 新型コロナ危機の長期化とともに、政府のさらなる支援策への要求も高まっている。その要求には、労働組合から求められる、操業短縮手当を実質所得の60%(子がいる場合は67%)から、80%(子がいる場合は87%)に引き上げる要求が含まれる。連立与党は4月22日、段階的および時限的な引き上げに同意した。さらに失業手当の受給期間が延長された。飲食業は税負担が軽減される。これらの対策の費用は100億ユーロと見積もられている。自動車業界からは、新車購入に対するプレミアムの形での国家支援を求める声が上がっている。
 ドイツ経済にとって非常に重要な自動車業界は、生産を再開し始めている。国際的な分業に基づくサプライチェーンが機能するかどうかは定かではない。欧州の主要な供給国であるフランス、スペイン、イタリアでは、まだ生産が大幅にダウンしたままである。EU圏内の、通常であれば自由な貨物輸送が阻害されており、交易が停滞している。さらにドイツでも、同様に経済危機に苦しむ主要な産業国でも、需要の喪失が懸念される。しかし、経済が上向くために決定的な鍵を握るのは、感染者の数を抑えることに成功し、接触制限を緩和、または幅広く廃止することができるどうかである。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

« 税法上の労働者性と事業者性 | トップページ | 殴る相手 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 税法上の労働者性と事業者性 | トップページ | 殴る相手 »