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2020年4月 2日 (木)

早川智津子『外国人労働者と法』

507605 早川智津子三の新著『外国人労働者と法― 入管法政策と労働法政策』(信山社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

https://www.shinzansha.co.jp/book/b507605.html

日本政府は、「移民・単純労働者は受け入れない」という入管法政策の方針転換の言明はさけつつ「外国人高度人材グリーンカード」を導入したり、介護・農業・建設分野などを「専門的技術分野」として外国人受入れを進めている。現状の受入れ準備には多くの懸念があるが、本書は、こうした激変する入管法政策に対し、外国人労働政策全体としてのあるべき姿を示そうと試みた労作。 

という惹句を見ると、かなり踏み込んだ議論をしているようにも見えますが、むしろ極めて丁寧に制度の細かいところを分析しており、政策提言的なところは相当に控えめです。それがむしろ早川さんの持ち味でもあるのでしょう。とりわけ、「入管法政策と労働法政策」なんていう話になると、私だったら(以前書いた論文等でも露呈しているように)法務省入管局と労働省の仁義なき権限争いの帰結として描き出すところですが、早川さんはそういう野蛮な記述はしません。淡々と制度の変遷を叙述していきます。

◇序 問題の所在

◆第1部◆ 外国人労働政策の視点

◆第1章 法政策の視点
◆第2章 入管法政策の手法
◆第3章 労働法政策の手法

◆第2部◆ 日本法の状況

◆第1章 入管法政策の展開

第1節 わが国の入管法政策
第2節 新たな動向の背景
第3節 高度人材ポイント制
第4節 日系人労働者
第5節 その他の受入れ状況
第6節 2018年入管法改正

◆第2章 労働法政策と外国人

第1節 労働法による保護
第2節 不法就労者の扱い
第3節 国籍差別をめぐる問題点
第4節 解雇及び雇止め
第5節 安全衛生・労災補償
第6節 その他の雇用管理をめぐる問題点
第7節 労働組合法
第8節 労働市場法
第9節 2018年入管法改正後の対応

◆第3章 外国人技能実習制度

第1節 技能実習制度の沿革
第2節 技能実習法の制定
第3節 技能実習生の賃金と処遇
第4節 技能実習と関係者の責任
第5節 研修生の労働者性をめぐる議論と裁判例
第6節 技能実習契約の性格と就労請求権
第7節 技能実習制度と労働市場法
第8節 技能実習生の雇用管理をめぐる問題点

◆第4章 日本法の課題

◆第3部◆ アメリカ法の検討

◆第1章 入管法政策⑴ 通常の労働証明制度
◆第2章 入管法政策⑵ 一時的労働証明制度
◆第3章 労働法政策⑴ 労働法の適用・不法就労問題
◆第4章 労働法政策⑵ 差別禁止
◆第5章 労働法政策⑶ 労災補償・失業保険
◆第6章 労働法政策⑷ 職業紹介
◆結びに アメリカ法の要約と日本法への示唆 

ちなみに、そういう野蛮な議論を読みたい人は、そろそろ刊行されるはずの野川忍編著『労働法制の改革と展望』(日本評論社)の第13章(日本の外国人労働者法政策――失われた30年)をみてください。ほぼ同じ対象を扱いながら、文体が実に違います。

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784535524224

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