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2020年4月 1日 (水)

櫻井善行『企業福祉と日本的システム』

Sakuraikigyofukushi 情況出版の服部一郎さんより、櫻井善行『企業福祉と日本的システム──トヨタと地域社会への21世紀的まなざし』(ロゴス)をお送りいただきました。

http://logos-ui.org/book/book-35.html

本書の特質は、おそらく恩師である十名直喜さんのこの推薦の辞が一番言い表しているのでしょう。

本書は、トヨタと西三河地域をモデルにして、幅広い視点から企業福祉の日本的な特徴と課題を分析した労作である。「企業福祉」研究を社会科学的な分析へと昇華させたところに、その真骨頂がある。
 企業と家族に福祉をゆだねるという日本型福祉を担ってきた「企業福祉」は、日本的な労使関係や働き方、深刻な階層間格差の一因にもなってきた。本書は、働き方、労使関係、企業内教育、地域社会など多様な視点から「企業福祉」を体系的に捉え、その光と影の両側面を浮かび上がらせている。さらに、混迷を増す企業福祉の未来像も提示する。企業内の施策にとどまらず、協働的な地域づくりの触媒として活かすべしとの政策提起は示唆に富む。
 西三河地域で暮らし働きつつ傾注してきた四半世紀にわたる研究成果が込められている。ご一読されその魅力と迫力に触れていただきたい。

人事労務管理論の世界では福利厚生はそれなりの重みのあるわき役ですが、本書はそれが愛知県の研究者を中心としたいわゆる批判的トヨタ研究の一環としてなされている点が特徴でしょう。

ただ、ではそれがすごく意味のある発見をもたらしているのかという点については、正直言ってあまり目の覚めるような思いをさせられなかった感はあります。例えばトヨタは日本型システムのもっとも典型とみるべきなのか、むしろ例外的なのかという点も、よく詰められていないよううな。

せっかくお送りいただいているので、なにかこれこそという点を見つけ出してほめるべきかもしれないのですが。

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コメント

この地域の研究者による批判的トヨタ研究はトヨタの位置づけに根本的な問題があると思います。僕は名古屋出身でお世話になりましたから、そこがとにかく気になりました。トヨタを説明することですべてが説明できる、日本的システムの代表である、という見方にこだわりすぎるところが問題なのではないか、と。1990年代のポスト・フォーディズム論争など、日本の自動車産業、日本的生産システムが世界のお手本であるかのように言われていた時期にとらわれすぎてしまったことで結局現代日本の変化に追いついていないのではないか、と思う次第です。製造業でも軒並み生産拠点を海外へ移転しているこの時代、かたくなに国内の拠点を維持し続ける自動車産業はむしろ例外的なのではないか、と感じます。

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