緊急コラム「自営業者への失業給付?─EUの試み」
JILPTのホームページに、新型コロナ関係の緊急コラムとして、「自営業者への失業給付?─EUの試み」を掲載しました。
https://www.jil.go.jp/tokusyu/covid-19/column/005.html
現在進行中の新型コロナウイルス感染症は経済の様々な部門に大きな影響を与えつつあるが、その中で特にホットな議論となっているのが、とりわけ感染クラスターの元となる危険性の高い飲食店やサービス業に対する自粛要請等による休業に対して補償すべきではないかという論点である。もちろん、そうした事業所で雇用されて働いている労働者に対しては、雇用を維持したうえでの雇用調整助成金から失業した場合の雇用保険の失業給付まで、さまざまな労働市場セーフティネットが設けられているが、彼らを雇う側の事業主、あるいは自ら経営しつつ労働する一人親方型の自営業者には、政策金融公庫等による融資のほか、今回のコロナ不況の中で、法人事業主には200万円、フリーランスなど個人事業主には100万円の持続化給付金が創設されつつあるとはいえ、雇用労働者のような完備したセーフティネットは存在しない。・・・・・
・・・・・・・
・・・・・現在の日本ではなお、自営業者の失業給付という議論はほぼ全く存在していないが、新型コロナウイルス感染症を契機に沸き起こったフリーランスを含む自営業者への休業補償を求める声を、理論的に突き詰めて考えていくと、昨年末に成立したばかりのEU勧告の方向性と重なり合う部分もあるように思われる。
« 外国人高度人材の虚実@WEB労政時報 | トップページ | 神林龍『正規の世界 非正規の世界』に日本学士院賞 »
コメント