哲学や社会学の難しい本を読んできた人ほど消費税史観にはまる
https://twitter.com/tomoyuki_7542/status/1241474737819095041
ネット上で跋扈している消費税史観の問題は、「消費増税が貧困や低成長の根本原因なんだから、労働、雇用、財政、社会保障の制度や実態については小さな問題に過ぎない」という態度を蔓延させてしまったことにある。哲学や社会学の難しい本を読んできた人ほど消費税史観にはまる。
これは消費税という形で表れていますが、より一般化して言えば、やたらにでかいマクロの話とやたらにみみっちいミクロの話だけに関心を肥大化させ、その中間レベルの話、上でいえば、「労働、雇用、財政、社会保障の制度や実態」に対する関心を極小化させるというのが、この手の「哲学や社会学の難しい本を読んできた人」の弊害なのかもしれません。おそらく、その心理を推測すると、マクロの話こそが唯一重要なのであり、ある特定のミクロの話はそのマクロの精髄が顕現する場所であるがゆえに特権的地位を占めるのだが、それ以外の中間レベルのあれやこれやはすべて大した意味のない、どっちでもいいようなガラクタごとに掃きまとめられてしまうのでしょう。
しかしいうまでもなく、この世に生きるほとんどの人々にとって、大事なのはその中間レベルのあれやこれやがどうなるかなんです。人は細部に顕現する神のみにて生きるものではないのですから。
(追記)
いわずもがなですが、上記引用ツイートにおける哲学や社会学に対するdisりをわたくしは共有しているわけではありません。哲学はよく知りませんが、少なくとも社会学には上記中間レベルのことどもに多大な関心を寄せるハイフン社会学(産業社会学等々)が多く存在しており、わたくしは彼ら彼女らの研究に多くの敬意をもっております。
なおまた、上記引用ツイートにおける哲学や社会学を経済学に置き換えても同様のことがいえるようにも思われますが、これまた同じように、経済学にも上記中間レベルのことどもに多大な関心を寄せる(必ずしもハイフン付ではない)経済学(労働経済学等々)が存在しており、わたくしは(以下同文)
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コメント
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”マクロ”や”ミクロ”の定義にもよりますが、”マクロ”が
「労働、雇用、財政、社会保障の制度や実態」に関係なく経済全体に影響する事を対象とする
という事であれば、消費税は該当するので”マクロ”の対象になると思います。
中間レベルのあれやこれやが大切だ と考える方は、中間レベルのあれやこれやを無視して全体に一律に課税する消費税をどのように評価されるのでしょうか?
投稿: Alberich | 2020年3月24日 (火) 21時28分