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2020年3月21日 (土)

バカとアホが喧嘩するとワルが得する(再掲)

なんだか最近、新型コロナウイルスにことよせて、またぞろ消費税減税とか言い出す輩が湧いてきているようなので、毎度の繰り返しで恐縮ですが、昨年1月のエントリを再掲しておきます。昨年1月のエントリなので、冒頭で「昨年末」と言っているのは一昨年末のことです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/post-02b2.html (バカとアホが喧嘩するとワルが得する)

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昨年末、松尾匡さんからメールで、反緊縮マニフェストに名を連ねてほしいというご依頼があったのですが、そのマニフェストの冒頭に「1 消費税を上げて不況が戻ってもいいのですか? 消費税を5%に戻して、景気を確かなものに。」という項目があり、それがこのマニフェストの主張の筆頭代表的存在である限り、それは無理ですという旨をお伝えしました。

https://economicpolicy.jp/wp-content/uploads/2018/10/manifesto2017new.pdf

このマニフェスト、そのあとを読んでいくと、「2 働きたい人が誰でもまっとうな職で働ける世の中に! 雇用創出・最低賃金引き上げ・労働基準強化」といった賛成できる項目もあるのですが(もっとも、ベーシック・インカムは賛成できない)、世間的にはまず何よりも反消費税という主張に集約されるであろうことは間違いありません。

ただ、それだけではやや説明が不足かなという気もしてきたので、反緊縮を増税反対という旗印に集約させると何が起こるのかという観点からもう少しコメントしておきたいと思います。

結論から言うと、社会保障費に充てるために消費税を上げるという触れ込みで始まったはずの政策が、「増税しないと財政破綻」論のバカ軍団と「増税すると経済崩壊」論のアホ軍団の仁義なき戦いのさなかに放り込まれると、「社会保障なんか無駄遣いやからやめてまえ」論という一番あってはならないワル軍団お好みの結論に導かれてしまうからです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38744460Q8A211C1EE8000/ (軽減税率、財源にメド 社会保障から1000億円 )

あえて表にすればこういうことになります。

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おそらく松尾さんたちはこの表の左下の欄、つまり増税反対だけど再分配賛成というところに属しているのでしょう。ところが、その主張がもっぱら増税反対というところに集約され、もっぱら右上の「増税しないと財政破綻」論を仮想敵国として戦っていくと、現在の政治的配置状況の下では、それは右下の社会保障なんか無駄やからやめてまえ論との共闘になり、本来の政策だったはずの「増税して社会保障に」というのは冥王星の彼方に吹き飛ばされてしまいます。

そんなに増税が嫌なら、これくらい面倒見てやろうかという軽減税率の財源にそもそもの目標であったはずの社会保障費があてられるというのが今の姿ですが、この先、米中対決その他の影響で経済情勢波高しということになって「めでたく」(皮肉です)増税が回避されたら、結局得をしたのは社会保障を目の敵にするワル軍団でしたということになりかねません。正直、その可能性は結構高いように思います。そうでなくても、今ではそもそも何のために消費税を上げるという話になったのか、だれも覚えていないという状況ですから、その目論見は達せられたというべきかもしれません。

バカとアホが喧嘩するとワルが得するという教訓噺でした。

 

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消費税や社会保険料の増税分が経団連加盟企業向けの減税に使われた事実を無視するとは……

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