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2020年3月 9日 (月)

『季刊労働法』2020年春号

268_h1hp725x1024 今週末に刊行予定の『季刊労働法』2020年春号(268号)の目次が労働開発研究会のサイトにアップされています。

https://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/8046/

まず、特集は「新しいハラスメント規制の論点」です。

●新しい規制が加わる「ハラスメント」を特集します。ハラスメント規制法をどう評価するか、ILOのハラスメント条約の意義とは、紛争の司法救済の限界と立法の必要性、顧客等第三者からのハラスメントをどう防ぐかなど、多角的な視点で検討します。フリー就労者のハラスメント被害の実態にも言及します。

包括的で実効的なハラスメント規制の原点とは 滋賀大学名誉教授 大和田 敢太

鼎談・ハラスメント新法とその今後 労働政策研究・研修機構副主任研究員(司会) 内藤 忍 弁護士 圷 由美子 成蹊大学教授 原 昌登

ILO条約第190号「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約」の意義 日本労働組合総連合会 総合政策推進局長 井上 久美枝

セクシュアル・ハラスメント被害者の司法的救済の限界 弁護士 角田 由紀子

顧客・利用者等によるハラスメントと法的課題 関西大学大学院教授 川口 美貴

フリーランスへのハラスメント実態と防止対策 出版ネッツ 杉村 和美

次の第2特集は、施行が目前に迫った日本版「同一労働同一賃金」のパート有期法です。

◎第2特集 パート有期法の課題
パート有期法8条の射程をめぐる一考察 立教大学准教授 神吉 知郁子
労働者側からみたパート・有期雇用労働法の今後の課題 弁護士 水口 洋介
使用者側からみたパート・有期法における実務上の課題 弁護士 高仲 幸雄
日本型「同一労働同一賃金」の行政解釈等と企業実務対応上の現状と課題 社会保険労務士 北岡 大介 

ということで、残りの論文類をざっとみていきますと、

◎■論説■
改正労働者派遣法による派遣労働者の均等・均衡待遇 法政大学教授 浜村 彰
規範的効力法理の再検討 ―平尾事件最高裁判決を契機として 明治大学法科大学院教授 野川 忍
個別労働紛争を内容とする団体交渉拒否事件における不当労働行為審査手続上の課題 同志社大学教授 土田 道夫 京都府労働委員会 武内 匡

◎■イギリス労働法研究会 第33回■
イギリスの差別禁止法におけるハラスメント規制の展開 ―法規制によるハラスメント予防の可能性と展望― 早稲田大学大学院 浅野 毅彦

◎■アジアの労働法と労働問題 第40回■
イラン労働運動へのアプローチ 法政大学大学院連帯インスティテュート客員教授 鈴木 則之

◎■労働法の立法学 第57回■
職階制-ジョブ型公務員制度の挑戦と挫折 労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口 桂一郎

◎■判例研究■
通常の労働時間の賃金と割増賃金の「判別可能性」と「対価性」 洛陽交運事件(大阪高判平成31・4・11労経速2384号3頁) 上智大学教授 富永 晃一
タイムカードがない場合の労働時間の認定と定額残業代特約の有効性 結婚式場運営会社A事件(東京高判平成31年3月28日労判1204号31頁、水戸地土浦支判平成29年4月13日労判1204号51頁) 小樽商科大学教授 國武 英生

◎■キャリア法学への誘い 第20回■
退職・解雇とキャリア意識 法政大学名誉教授 諏訪 康雄

◎■重要労働判例解説■
部門廃止に伴う解雇の効力 大乗淑徳学園事件・東京地判令元・5・23労判1202号21頁 専修大学教授 石田 信平
独身女性に対する広域転勤命令の不法行為該当性 一般財団法人あんしん財団事件・東京高判平31・3・14労判1205号28頁 専修大学法学研究所客員所員 小宮 文人

私の連載は、今回は今や誰からも忘れられた存在である職階制を取り上げました。最近、ネット上で「ジョブ型公務員を目指す」とかなんとかいう文章をちらりと見た記憶がありますが、いやいや終戦直後の日本政府は本気の本気でジョブ型公務員制度を確立しようとしていたんですよ。

あと、このラインナップの中で早く読みたいのが、石田信平さんの判例評釈です。というのは、私もこの大乗淑徳学園事件の評釈を『ジュリスト』4月号に書いているんです。こちらは今月25日に発売ですので、関心のある方は読み比べてみられるといいのではないでしょうか。ちなみに私の評釈には、「ここ笑うところ」というネタが仕込んであります。

 

 

 

 

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