コロナ危機はMMTの出番?
今や中国以上にコロナウイルスがはびこり始めたヨーロッパですが、そのソーシャル・ヨーロッパから、ビュルツブルク大学のボフィンガー教授の「Coronavirus crisis: now is the hour of Modern Monetary Theory」(コロナウイルス危機:今こそMMTの出番)というエッセイを。
https://www.socialeurope.eu/coronavirus-crisis-now-is-the-hour-of-modern-monetary-theory
コロナ危機でとにかく衛生政策が最重要なんだが、その結果経済に大きな影響を与える。
・・・Yet the effects of the safety measures are comparable to an artificial coma of the entire economic system. Economic policy is therefore faced with the task of artificially feeding and ventilating the ‘patient’ as comprehensively as possible during this phase, so that it suffers the least possible long-term damage.・・・
しかし、安全のための措置の影響は全経済システムの人工的な仮死状態に比せられる。経済政策はそれゆえ、この段階において可能な限り全面的に「患者」に人工的に栄養を補給し通気するという課題に直面する。
というわけで、労働者への操短手当から始まって、企業や自営業者に対する莫大な移転が必要になるわけですが、ではそれをどうやって賄うのか?という難問が。
ここで、答はMMTだと。
・・・The answer to this is Modern Monetary Theory. Its main message is that in principle there are no financing restrictions for large countries. A historical example is the financing of wars.
これに対する答は現代貨幣理論だ。その主たるメッセージは、原則として大国には財政制約はないというものだ。歴史的実例は戦争の賄いである。
いろいろ批判はあって、それらはそれなりに正しい面もあるのでしょうが、要は経済政策とは使えるか否かであって、平時には有害な理論であったとしても、有事に、ここぞという出番に使えればいいのでしょう。経済学者のサークル内のねたみそねみの議論でない限り。
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