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2020年2月17日 (月)

永吉希久子『移民と日本社会』

102580 永吉希久子『移民と日本社会 データで読み解く実態と将来像』(中公新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/02/102580.html

それにしても中公新書さんどうしちゃったんでしょうか。やたらに移民モノづいてません?

少子高齢化による労働力不足や排外主義の台頭もあり、移民は日本の大きな課題となっている。本書は、感情論を排し、統計を用いた計量分析で移民を論じる。たとえば「日本に住む外国人の増加により犯罪が増える」と考える人は6割を超えるが、データはその印象を覆す。こうした実証的な観点から、経済、労働、社会保障、そして統合のあり方までを展望。移民受け入れのあり方を通して、日本社会の特質と今後を浮き彫りにする。 

永吉さんは社会学者ですが、外国人モノによくある密接に観察して描き出した質的研究というのとは趣が違い、様々な統計データ等を使った量的研究です。

その意味ではわりと淡々と読んでいく感じですが、いくつか鋭い指摘もあります。

例えば終章の「移民問題から社会問題へ」では、「移民問題が隠すもの」と題し、こう述べています。

・・・これまで「移民問題」として語られてきた様々な事象-移民の劣悪な労働環境や地域のトラブルなど-も違った意味を持つ。

たとえば、終身雇用や生活保障が提供されている正規雇用の枠が減少する中で、雇用の外で生活保障を提供する仕組みは未だ脆弱なままである。日系ブラジル人の大量失業とその後の経済状況の悪化はそのような状況を反映したものだ。

不安定な雇用を外国人労働者に担ってもらう構造があるからこそ、失業や貧困が「移民問題」になる。技能実習生についての「問題」も、日本人労働者を集めるだけの賃金や労働条件を維持できない企業-特に地方の企業-をどうするのか、という問題を先送りした結果だと言える。同様のことは、介護職における労働者不足、地方における結婚相手の不足などを補う形で、移民の受入が行われてきたことからも窺える。・・・

・・・「移民問題」は「移民が引き起こす問題」でもなければ、「移民のために考えるべき問題」でもない。「移民の受入れ」という現象に直接的/間接的に関わってきたすべての人が当事者であり、自分たちがその構成員となる社会のために考えるべき、社会問題なのだ。

 

 

 

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