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« 権丈英子『ちょっと気になる「働き方」の話』 | トップページ | 1月8日の日経新聞社説 »

2020年1月 8日 (水)

労働政策レポート『年金保険の労働法政策』

Nenkin JILPTから労働政策レポートNo.13として『年金保険の労働法政策』を出しました。

https://www.jil.go.jp/institute/rodo/2020/013.html

研究の目的 年金制度改正の主たる論点である短時間労働者への適用拡大や受給開始時期の選択幅拡大等について、関連事項も含めて歴史的にその経緯の詳細を跡づけ、年金法政策と労働法政策との関連性を明らかにすること。 
主な事実発見 厳密な意味での新たな事実発見はない。厚生年金保険法には元々臨時日雇労働者の適用除外は存在したが、短時間労働者は適用除外されていなかった。1980年の課長内翰でこれが適用除外されたが、その背景には日経連の要望、雇用保険法の取扱い、健康保険法における被扶養者の扱い等があった。21世紀以降、非正規労働者の均等均衡処遇が労働政策の課題となる中で、短時間労働者への厚生年金の適用拡大が繰り返し試みられ、2012年改正で実現したがなお多くの中小企業が除外されており、その拡大が目指されている。

基本的に年金政策に関わる過去の文献の中から労働政策と関わりのある適用対象者の範囲の変遷とか受給開始年齢をめぐる経緯とかを取り出してきて記述したものですので、政策当局にとっては個別的には(おそらく)既知の事実の集積でしょうが、労働政策と社会保障政策の関係を歴史的にこうした形でまとめたものは私の知る限りほとんど存在しないので、政策論議の素材として政労使その他の研究者にとってはなにがしか有用なのではないかと思います。

まえがき
第1章 前史:健康保険法等
 1 健康保険法
 2 健康保険法の適用拡大と「被扶養者」の登場
 3 船員保険法
第2章 労働者年金保険法から厚生年金保険法へ
 1 労働者年金保険法
 2 厚生年金保険法
 3 1947年改正
 4 社会保障制度審議会の設置
第3章 現行厚生年金保険法と国民年金法
 1 1953年改正
 2 1954年厚生年金保険法
 3 国民年金法の制定
第4章 被用者保険における非正規労働者の取扱い
 1 被用者保険と臨時日雇労働者
 2 1980年内翰
 3 1980年内翰の背景
 4 被扶養者の範囲
 5 複数就業者への適用
 6 非雇用就業者への適用
第5章 厚生年金基金と企業年金諸法
 1 退職金から企業年金へ
 2 厚生年金基金
 3 企業年金制度の見直しへ
 4 確定拠出年金
 5 確定給付企業年金
 6 厚生年金基金の廃止
第6章 1985年改正
 1 被用者の妻に係る議論
 2 基礎年金導入への道
 3 第3号被保険者の導入
 4 学生の取扱い
 5 厚生年金保険の適用対象
 6 老齢厚生年金の支給開始年齢
第7章 年金制度と高齢者雇用との関係
 1 1954年厚生年金保険法と60歳定年延長
 2 65歳への支給開始年齢の引上げと継続雇用政策-1989年の失敗
 3 65歳への支給開始年齢の引上げと継続雇用政策-定額部分
 4 65歳への支給開始年齢の引上げと継続雇用政策-報酬比例部分
 5 支給の繰上げ、繰下げ
 6 在職老齢年金
 7 21世紀の年金政策の動き
第8章 第3号被保険者をめぐる問題
 1 年金審議会意見
 2 女性のライフスタイルの変化等に対応した年金の在り方に関する検討会
 3 男女共同参画政策からの提起
 4 2004年改正
 5 運用3号問題
 6 その後の検討
第9章 育児期間等の配慮措置
第10章 非典型労働者への適用拡大
 1 前史
 2 2004年改正時の検討
 3 2007年改正案
 4 2012年改正
 5 2016年改正
第11章 2020年改正に向けて
 1 働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会
 2 70歳までの雇用就業機会の確保
 3 社会保障審議会年金部会
年表 

ちょうどこれから召集される通常国会で年金法改正案が審議されるので、その際に、この問題はそもそもどういう経緯でこうなっているんだろうと思ったときに、参照していただければ幸いです。今回の改正事項に入っていませんが、いろいろと話題になる第3号被保険者についても、かなり詳しくその経緯を述べています。

 

 

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コメント

 ようやく厚生労働省がモデル年金を見直すそうです。

https://digital.asahi.com/articles/ASRCP6HLYRCPUTFL00Q.html

 遅すぎた気はしますが、様々なライフスタイルに合わせた新たなモデル年金が示されるとのこと。
 多くの国民に老後の生活に安心感を与えるモデル年金になってほしいです。

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