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2020年1月 3日 (金)

日本の公務員法制はジョブ型だった・・・

前にも書いた記憶がありますが、最近もこういうことを言う方がいるようなので、改めて終戦直後から21世紀初頭に至るまで日本国の六法全書の上で厳然と存在し続けていた(けれども全く実施されることがなく神棚に祭り上げられていた)職階制という名のジョブ型公務員制度を紹介しておきましょう。

https://note.com/canbara/n/nbd2b9d6b7c09 (ジョブ型公務員で、生きていく )

国家公務員法

第二節 職階制
 (職階制の確立)
第二十九条 職階制は、法律でこれを定める。
人事委員会は、職階制を立案し、官職を職務の種類に応じて定めた職種別に、且つ、職務の複雑と責任の度に応じて定めた等級別に、分類整理しなければならない。
職階制においては、職種及び等級を同じくする官職については、同一の資格要件を必要とするとともに、且つ、当該官職に就いている者に対しては、同一の幅の俸給が支給されるように、官職の分類整理がなされなければならない。
前三項に関する計画は、この法律の実施前に国会に提出して、その承認を得なければならない。
 (職階制の実施)
第三十条 職階制は、職階制を実施することができるものから、逐次これを実施しなければならない。
職階制の実施につき必要な事項は、この法律に定のあるものを除いては、人事委員会規則でこれを定める。
 (官職の格付)
第三十一条 職階制を実施することとなつた場合においては、人事委員会は、人事委員会規則の定めるところにより、職階制の適用されるすべての官職をいずれかの職種及び等級に格付しなければならない。
人事委員会は、人事委員会規則の定めるところにより、随時、前項に規定する格付を 再審査し、必要と認めるときは、これを改訂しなければならない。
 (職階制によらない官職の分類の禁止)
第三十二条 職階制が適用される官職については、任用の資格要件及び俸給支給の基準としては、職階制によらない分類をすることはできない。

国家公務員の職階制に関する法律 

第一章 総則
 (この法律の目的及び効力)
第一条 この法律は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二十九条の規定に基き、同法第二条に規定する一般職に属する官職(以下「官職」という。)に関する職階制を確立し、官職の分類の原則及び職階制の実施について規定し、もつて公務の民主的且つ能率的な運営を促進することを目的とする。
2 この法律の規定は、国家公務員法のいかなる条項をも廃止し、若しくは修正し、又はこれに代るものではない。この法律の規定が国家公務員法以外の従前の法律にてい触する場合には、この法律の規定が、優先する。
3 この法律は、人事院に対し、官職を新設し、変更し、又は廃止する権限を与えるものではない。
 (職階制の意義)
第二条 職階制は、官職を、職務の種類及び複雑と責任の度に応じ、この法律に定める原則及び方法に従つて分類整理する計画である。
2 職階制は、国家公務員法第六十三条に規定する給与準則の統一的且つ公正な基礎を定め、且つ、同法第三章第三節に定める試験及び任免、同法第七十三条に定める教育訓練並びにこれらに関連する各部門における人事行政の運営に資することを主要な目的とする。
 (用語の定義)
第三条 この法律中左に掲げる用語については、左の定義に従うものとする。
 一 官職 一人の職員に割り当てられる職務と責任
 二 職務 職員に遂行すべきものとして割り当てられる仕事
 三 責任 職員が職務を遂行し、又は職務の遂行を監督する義務
 四 職級 人事院によつて職務と責任が十分類似しているものとして決定された官職の群であつて、同一の職級に属する官職については、その資格要件に適合する職員の選択に当り同一の試験を行い、同一の内容の雇用条件においては同一の俸給表をひとしく適用し、及びその他人事行政において同様に取り扱うことを適当とするもの
 五 職級明細書 職級の特質を表わす職務と責任を記述した文書
 六 職種 職務の種類が類似していて、その複雑と責任の度が異なる職級の群
 七 格付 官職を職級にあてはめること。
 (人事院の権限)
第四条 人事院は、この法律の実施に関し、左に掲げる権限及び責務を有する。
 一 職階制を実施し、その責に任ずること。
 二 国家公務員法及びこの法律に従い、職階制の実施及び解釈に関し必要な人事院規則を制定し、及び人事院指令を発すること。
 三 職務の種類及び複雑と責任の度に応じて、職種及び職級を決定すること。
 四 官職を格付する基準となる職種の定義及び職級明細書を作成し、及び公表すること。
 五 官職を格付し、又は他の国の機関によつて行われた格付を承認すること。
 六 国家公務員法第十七条の規定に基き、官職の職務と責任に関する事項について調査すること。
2 人事院は、前項第三号に規定する職種を決定したときは、職種の名称及び定義を国会に提出しなければならない。
3 前項の場合において、国会が人事院の決定の全部又は一部を廃棄すべきことを議決したときは、人事院は、すみやかに、その職種の決定が効力を失うように必要な措置をとらなければならない。
   第二章 職階制の根本原則
 (職階制の根本原則)
第五条 職種及び職級の決定、職級明細書の作成及び使用、官職の格付その他職階制の実施は、この章に定める原則によらなければならない。
 (官職の分類の基礎)
第六条 官職の分類の基礎は、官職の職務と責任であつて、職員の有する資格、成績又は能力であつてはならない。
 (職級の決定)
第七条 職級は、職務の種類及び複雑と責任の度についての官職の類似性と相異性に基いて決定される。
2 職務の種類及び複雑と責任の度が類似する官職は、国のいずれの機関に属するかを問わず、一の職級を形成する。
3 職級の数は、職務の種類及び複雑と責任の度に応じて人事院が決定した数に等しくなければならない。
4 職級は、官職を分類する最小の単位である。
 (官職の格付)
第八条 官職は、職務の種類及び複雑と責任の度を表わす要素を基準として職級に格付されなければならない。
2 格付に当つては、官職の職務と責任の性質並びにその職務に対してなされる監督の性質及び程度を前項の要素としなければならない。
3 格付に当つては、官職の職務と責任に関係のない要素を考慮してはならない。又、いかなる場合においても、格付の際にその職員の受ける給与を考慮してはならない。
4 官職は、局、課、その他の組織の規模又はその監督を受ける職員の数にのみ基いて格付してはならない。これらの要素は、監督を受ける職務の種類若しくは複雑、監督的な責任の度又は監督の種類、度若しくは性質その他これらに類する要素と関連させてのみ考慮することができる。
5 同一の職級に格付される官職は、職務の種類及び複雑と責任の度において全く同一であることを要しない。
6 一の官職が二以上の職級にわたる職務と責任を有する場合において、それぞれの職務と責任に応じてその都度格付を変更することが困難なときは、格付は、勤務時間の大部分を占める職務と責任に従つて行う。但し、人事院規則の定めるところにより、最も困難な職務と責任によつて格付することができる。
 (職級明細書)
第九条 職級明細書は、各職級ごとに作成しなければならない。
2 職級明細書には、職級の名称及びその職級に共通する職務と責任の特質を記述しなければならない。
3 職級明細書には、前項に規定するものの外、その職務の遂行に必要な資格要件を記述し、及びその職級に属する代表的な官職を例示することができる。
4 職級明細書は、格付の基準となる主要な要素を明らかにするものでなければならない。
 (職級の名称)
第十条 職級には、これに属する官職の性質を明確に表わす名称を付けなければならない。
2 職級の名称は、その職級に属するすべての官職の公式の名称とする。
3 職員には、その占める官職の属する職級の名称が付与される。
4 職級の名称は、予算、給与簿、人事記録その他官職に関する公式の記録及び報告に用いられなければならない。但し、必要に応じ略称又は記号を用いることができる。
5 前三項の規定は、行政組織の運営その他公の便宜のために、組織上の名称又はその他公の名称を用いることを妨げるものではない。
 (職種)
第十一条 職種は、職務の種類が類似していて、その複雑と責任の度が異なる職級をもつて形成する。但し、職階制の実施上必要あるときは、一の職級をもつて一の職種を形成することができる。
2 職種には、これに属する職級の職務の種類を概括的に表わした定義を与えなければならない。
   第三章 職階制の実施
 (職階制の実施)
第十二条 人事院又はその指定するものは、国家公務員法、この法律、人事院規則及び人事院指令の規定並びに職級明細書により、すべての官職を、職務の種類及び複雑と責任の度に基いて職級に格付しなければならない。
2 官職の職務と責任上格付の変更を必要と認める場合には、人事院又はその指定するものは、官職の格付を変更しなければならない。
3 人事院の指定するものが官職を格付し、又はその格付の変更を行つたときは、直ちにその採つた措置について人事院に報告しなければならない。
4 人事院は、官職が第一項又は第二項の規定に従つて格付されているかどうかを確認するため、随時、格付の再審査を行い、格付が適正に行われていないことを発見したときは、これを改訂しなければならない。
5 前各項の場合において、人事院は、その採つた措置を関係機関に文書により通知し、これに従つた措置を採るように指示しなければならない。
6 人事院の指定するものが第一項若しくは第二項の規定に違反して官職を格付し、若しくは変更し、又は第三項の規定に違反して報告しなかつた場合においては、人事院は、その指定による委任の全部若しくは一部を取り消し、又はこれを一時停止することができる。
 (職種又は職級の改正)
第十三条 人事院は、必要と認める場合には、職種、職級、職級の名称又は職級明細書を新設し、変更し、若しくは廃止し、又はこれを併合し、若しくは分割することができる。但し、職種については、第四条第二項及び第三項の規定に従つてこれを行わなければならない。
2 人事院は、前項の措置を採つたときは、その旨をすみやかに各省各庁に通知しなければならない。
 (公示文書)
第十四条 人事院は、この法律、職階制に関する人事院規則及び人事院指令並びに正確且つ完全な職種職級一覧表及び職級明細書を使用に便宜な形式に編集して保管しなければならない。
2 前項の文書は、官庁執務時間中、適当な方法で公衆の閲覧に供しなければならない。
   第四章 罰則
 (罰則)
第十五条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
 一 人事院若しくはその指定する者が第四条第六号の規定に基いて行う調査に関し、人事院若しくはその指定する者から報告を求められ正当の理由がなくてこれに応じなかつた者
 二 第十二条第三項の規定に違反して同項の規定に基いて採つた措置について人事院に対し虚偽の報告をし、又は正当の理由がなくて報告をしなかつた者
 三 第十二条第五項の規定に違反して人事院の指示に従わなかつた者
   附 則
1 この法律中第十条第四項の規定は、人事院規則で定める日から、その他の規定は、公布の日から施行する。
2 この法律によつて行われる格付は、人事院の定めるところにより、逐次実施することができる。
3 国家公務員法、この法律、人事院規則及び人事院指令に従つて職階制が実施されるに伴い、この法律に基く格付は、政府職員の新給与実施に関する法律(昭和二十三年法律第四十六号)第九条に規定する級への格付に代るものとする。但し、同法による級への格付は、給与に関しては、国家公務員法第六十三条に規定する給与準則が制定実施されるまで、その効力を有するものとする。
4 職員の給与は、この法律によつて行われる官職の格付によつては、国家公務員法第六十三条に規定する給与準則の実施に際して減額されることはない。

これらの純然たる職務主義的な規定が削除されたのは、年次主義的・年功的人事管理から能力・実績主義人事管理への転換を図るための、能力等級制を中核とする新たな人事制度の構築を掲げた公務員制度改革による2007年改正によってであった、ということほど、戦後日本のねじれにねじれた皮肉な構造を物語っているものはないように思われます。

 

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