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2020年1月19日 (日)

(フォーラム)「妖精さん」どう思う?@朝日新聞

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今朝の朝日新聞の7面が、一面全部充てて「(フォーラム)「妖精さん」どう思う?」という特集を組んでいます。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14332432.html

26184472_1_20200119085401 最近バズっている「働かないおじさん」を、「妖精さん」と名付けた朝日新聞の昨年の記事の拡大版、というか、ネット上ではすでに公開されていたものが紙面に載ったものですが、立教大学の中原さんとわたくしのインタビュー記事がかなりの分量掲載されています。私のは、ご覧の通り、『日本の雇用と中高年』(ちくま新書)のエッセンスになっています。

記者は53歳。年功賃金制度の下で約30年勤めてきましたが、「働かないおじさん」に対する若者世代の冷たい視線におびえてしまいます。どう受け止めればいいのか、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)研究所長の濱口桂一郎さんに聞きました。(浜田陽太郎)
       ◇
 確かに年功賃金によって、貢献度に比べて報酬が高過ぎる中高年社員が生まれやすい状況はある。でも「既得権にしがみつき、けしからん」と、世代間の対立をあおるのは非生産的です。
 中高年の中には、そうして高い処遇を受ける「得な人」も、リストラされ再就職もままならない「損な人」もいる。若者の間にも新卒で正社員になれた「得な人」もいれば、非正規の仕事しかない「損な人」もいる。日本は「得」と「損」の差が大きいことが問題なのです。
 日本は年功序列や終身雇用を前提とした「メンバーシップ型社会」として発展してきました。1922年、呉海軍工廠(こうしょう)の技術将校が、年齢と家族数で賃金を決める生活給を提唱したのが出発点とされています。これが戦後、「電産型賃金体系」として確立しました。
 一方、欧米は「ジョブ型社会」。まず職務があり、それをこなせる人をその都度採用する。仕事がなくなれば整理解雇されます。
 私が提案するのは「ジョブ型正社員」。これまでの正社員のようにムチャクチャに働かされることなく、職務や職場、労働時間が「限定」された「無期雇用」の労働者です。欧米の普通の労働者と同じです。職務がある限りは解雇されません。非正規社員のように、たとえ職務があっても雇用契約の更新が保証されず、常に雇い止めのプレッシャーにさらされることはなくなります。更新拒否を恐れてパワハラ、セクハラ被害に泣き寝入りすることもありません。ただし、仕事がなくなれば整理解雇されるという点で、これまでの「正社員」とは違います。
 「60歳定年で非正規化し、70歳まで継続雇用」という、これまでの延長線上の対応では難しい。60歳の前後で働き方が途切れないよう一部のエリートを除き、40歳ごろからジョブ型正社員として専門性を高めるキャリア軌道に移しておくのです。
 日本の大卒が「社長を目指せ」とエリートの期待を背負って必死に働かされ、モチベーションを維持できるのは、30代くらいまででしょう。それ以降は出世にしばられない「ホワイトなノンエリートの働き方」を考えた方が幸せでしょう。
 欧州では公的な制度が支えている子育てや教育費、住宅費などは、日本では年功賃金でまかなわれています。ジョブ型正社員の普及を目指すなら、社会保障制度の強化が必要です。雇用の改革に向けて、社会保障を含めた「システム全とっかえ」の議論を、慎重かつ大胆に行うべきでしょう。 

ちなみに、紙面の下の方には、「まさに自分が妖精さんなので何も言えないですが」という50代男性、「若い頃は頑張ったものだ、と言われて10倍近い給与をもらっていきますが、本当にそれなら当時支払われるべきでは? 世代間のモヤモヤで転職を考えることもあります」という20代女性、「中高年社員を妖精と呼ぶ若い人に言っておく。貴君らの背後にはもっと若い連中が迫っていることを忘れるなよ」という80代男性、「昔は妖精じゃなくて妖怪と言った。若い時はああなりたくはないと思ったが、年をとったら自分がそうなってしまった」という60代男性など、いろんな人のコメントが載ってて、これがなかなか面白い。

 

 

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コメント

hamachan先生もご出席されていた「労働時間・働き方の日独比較」でドイツでは新しい技術(デジタル化)による配置転換の可能性のある従業員(で希望する人)には、資格取得のトレーニングを行わせるような法律の制定が話題になっていたと記憶しています。
 オジサン、オジサンというのなら、このような施策もいいのではと素人では思ってしまうのですが、日本でもドイツのような方向性へ進む可能性もあるんでしょうか?というのが個人的に気になりました。

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