逆境の資本主義@日経新聞
日経新聞で新年から始まった「逆境の資本主義」という連載記事の2回目「働き方縛るモノ作りの残像」に、わたくしの発言(の一部)が載っているようです。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/new-capitalism/272272/
・・・ただ自由な働き方を喜んでばかりもいられない。労働政策研究・研修機構の浜口桂一郎所長は「デジタル時代はスキルの陳腐化が格段に早まり、労働者の安定性が揺らぐ」と語る。
うーむ、いろんなことが省略され、話が極端に単純化されてしまっていて、言った趣旨とだいぶ違うニュアンスの言葉になってしまっていますな。スキルの陳腐化などはそれほど強調しなかったはずなんですが。
(追記)
https://twitter.com/yoheitsunemi/status/1212731242816233473
うん、濱口桂一郎先生の論調、変わったかな、ちょっといつもと違うなと思ったらそういうことか
もっとも、この件に限らず、メディアのコメントは発言のごく一部が載ったんだくらいの捉え方が健全
日経新聞は日経新聞の文脈というかストーリーがあるのでしょうが、それに無理やり当てはめるようなコメントの使い方は、使われた側からするとかなり心外なものです。
デジタル経済の労働への影響の最大の問題は、なによりもジョブという安定した仕組みが崩れてタスクベースの取引になってしまう点にあると私は考えており、下手をすると労働法や社会保障といったこれまでの社会安定装置の基盤が崩れてしまうかもしれないのであり、それこそが今までにない点であるのに対して、スキルの陳腐化などというのは、それこそ高度成長期にも繰り返し語られ、そしてそれなりに対応されてきた中くらいの問題に過ぎません。
スキルの陳腐化にどう対応するかなどという問題設定自体が、産業革命以来何回も繰り返されてきたそれこそ陳腐なトピックであるのに対して、新も恐ろしい問題はなんであるのかを、口が酸っぱくなるほど語ったつもりだったのですが、あんまりそういうことには関心を持っていただけなかったようです。
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コメント
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発言を引用するときは、「」の引用部分と、その引用部分がどのような文脈で使われるか、という程度のことは発言者に確認するものだと思いますが、そうではなかったということでしょうか?
投稿: 澤路 | 2020年1月 2日 (木) 23時55分