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2020年1月17日 (金)

借金肩代わりの就活サービスって・・・・

ちょっと気になる記事がビジネスインサイダーにありました。

https://www.businessinsider.jp/post-205808 (“奨学金を肩代わり”就活サービス「Crono Job」。大学生の2人に1人が「借金」している現状変える)

求職者の奨学金返済を肩代わりする求人プラットフォーム「Crono Job」は、同名の求人サイトの掲載企業に就職が決まると、借り入れ中の奨学金を企業が代わりに返済してくれるサービスだ。貸与型奨学金・民間教育ローンの利用者であれば誰でも登録でき、新卒・中途は問わない。
企業による返済は、入社後に一括で肩代わりするか勤続年数や評価に応じて段階的に行うかが、企業によって決められている。すでにDMM、ドリコム、CAMPFIRE‎など8社が契約しており、約100名の求職者が登録している。

いやちょっと待て、それって、労働契約と金銭消費貸借契約をリンクさせるって事だよね。

まえにも本ブログで紹介したことがありますが、2003年に職業安定法が改正されるまでは、こういう規定が存在していたのです。

(兼業の禁止)
第三十三条の四 料理店業、飲食店業、旅館業、古物商、質屋業、貸金業、両替業その他これらに類する営業を行う者は、職業紹介事業を行うことができない。

なぜこんな規定があったのか。

おらぁ、貸した金、利子付けて返せゃ。返せねえなら体で返してもらおうか・・・。 

という世界があったからですね。そんな野蛮な世界はもうなくなったから(ほんまかいな)という理由でこの規定は17年前に削除されたのですが、ほんまかいな。

今回のビジネスモデルはもちろんこれとは違い、この人材ビジネス自体が金貸しになるわけではありませんが、そのあっせんで当該借金を背負った学生さんを雇う会社は、単に「仕事してくれたから給料払うよ」というだけの立場ではなく、「貸した金返せや」と言える立場になるわけです。DMMとかが。

うん、確かに現行法上どこにも問題はないといえばないのですが、なんだかとても胸騒ぎがするのは心配のしすぎでしょうか。

 

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コメント

少しニュアンスは違うと思うのですが、医療業界(特に看護)の専門学校は卒業後、系列の病院で働くことを条件に、奨学金免除される例がよくありますよね。これも一種の体で払う御恩と奉公のような気がしてしまいます。。。。

↓を見ると、公的医療機関の日赤とか国立病院でも結構あるようですね。
http://www.ishin.jp/useful/hospital/

それは昔から「お礼奉公」と言って、労働法の世界では結構問題になり、通達も出されており、いくつか裁判例もありますね。

ただ、それは少なくとも借金するときに将来そのカタに働く仕事の内容はあらかじめわかっているわけです。病院の看護師みたいに。

一方で、人材ビジネスと借金とが絡むと、借金した時には想定していなかったようなディーセントでない仕事をやらされる恐れがあるわけで、だからかつての職業安定法は兼業を明文で禁止していたわけですね。

今回のビジネスモデルは、そこが融合していて、人材ビジネスがあっせんした企業に「お礼奉公」するわけですが、その企業における仕事内容はさてどういうものになるのか、そこが企業によっては胸騒ぎがしないわけでもないわけでしょうね。

> 想定していなかったようなディーセントでない仕事をやらされる恐れがある

これは「メンバーシップ雇用≒奴隷制」の根源ですね。但し、兼業によって、
それが可能(合法?)になる、という理屈は全く理解できませんけど。当該の
条文は特定業種との兼業を禁止している訳で、こちらの方は、これらの特定の
仕事をさせることは良くないことだ、という理屈ですね。それはそれで、差別
的な理屈ですけど。あまりやりたくない仕事を「誘発」するということならば、
貧困こそが誘発の根源で、「借金一般」が貧困の典型例です。

> 貸金業については、いろいろと問題があります。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-79038d.html

職業紹介事業が求職者に対して、働くことを命令できる訳ではありませんので、
やはり「誘発が懸念」される、ということでしょうね。しかし、誘発だけならば
「借金一般」が誘発するのだと思いますので、むしろ、例えば、自己破産などで
(あるいは、取り立ての様態の規制などで)対応するべきでしょう。

業務命令を出せるという意味では、使用者は労働者に対して金貸してはならない
とか、金を貸しているものを雇い入れてはならないとか、になってしまいますが、
果たして、これが良いのか、というと、かなり疑問ですね。「想定してない」と
いう点を重視するのならば、メンバーシップ型雇用を規制するべきでしょうね。

連続コメント、失礼します。

> 想定していなかったようなディーセントでない仕事をやらされる
> 借金を背負った学生さんを雇う会社は、単に「仕事してくれたから給料払うよ」というだけの立場ではなく、「貸した金返せや」と言える立場になる

やはり、これが問題だとすると、「銀行にローン組んでる学生が、当該銀行に就職する」のは問題だ、となってしまいますね。
メンバーシップ型雇用自体を問題にするなら、ともかく、これを、「労働の側面」から、何とかしようとするのは無理筋では?

そうではなく、メンバーシップ型雇用を問題にする筋を取るなら、例えば、「メンバーシップ社員に金を貸してはいけない」と
いう方向の規制が考えられます。業務命令を出せない職業紹介を規制する前に、命令できる雇用主を規制するのが先でしょう。

hamachan先生、ご返答いただきありがとうございます。

恥ずかしながら、「お礼奉公」という呼称を知りませんでした。調べてみると確かに色々と議論されているようですね。

>今回のビジネスモデルは、そこが融合していて、人材ビジネスがあっせんした企業に「お礼奉公」するわけですが、その企業における仕事内容はさてどういうものになるのか、そこが企業によっては胸騒ぎがしないわけでもないわけでしょうね。

この部分は確かに「前払いしてでも、頭数=身体」がほしい企業が集まることにはなりそうですので、求職者は「利息を払ってでも、普通に就職してコツコツ返す」のか、冷静に企業の足元を見つめる必要があるように感じました。

ブログ、いつも自分なりに考えながら参考にさせていただいております。今後ともお忙しいと思いますが、素人ながら楽しみに更新お待ちしてます。

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