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2020年1月 3日 (金)

ジャレド・ダイヤモンド『危機と人類』(上・下)

Jared Jared2 正月の読書用に買ったジャレド・ダイヤモンド『危機と人類』(上・下)(日本経済出版社)は、正直いささか期待外れでした。いや、中身の水準はそれなりではあるんだけど、それなりではジャレド・ダイヤモンドという著者名で期待した水準には到底及ばない。

どんな感じかというと、どこかの大学が「危機と人類」という通しテーマで、10人くらいの先生にそれぞれ自分の得意分野の話を入門的に小一時間ほど喋らせた講演録といった感じでしょうか。

ソ連に攻められたフィンランド、黒船に開国させられた日本、チリの反アジェンデクーデタ、インドネシアの共産主義者虐殺、戦後ドイツ、オーストラリア、現代日本、現代アメリカ・・・というトピックの選択にはそれほど必然性はなく、著者が住んでいたり知っていたりした国だからというだけなので、全体として迫ってくるものがあんまり感じられないのは確かです。

おそらく普通の日本の読書人のレベルからすると、かなりの部分は「知ってたよ」というところが多いように思いますが、その中で割と知られていない話ではないかなと思ったのは、上巻第5章のインドネシアの話でしょうか。実は、この1965年のクーデタ失敗とそれに続く共産主義者大量虐殺事件は、以前本ブログである映画を紹介することで触れたことがあるんですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-26a5.html (アクト・オブ・キリング)

何を語っても空回りしそうなので、、先手を打って莫迦なことだけ言っておくと、、主人公のアンワルさんはあのニカウさんそっくりの人格円満そうな老人。相方のエルマンさんはマツコ・デラックスを男にしたような(?)風貌で、それが女装して踊るものだから笑いを誘うんだけど、彼らは実際に多くの人々を殺した英雄なんだよね。

私もそうであったように多くの日本の読書人にとってはけっこう空白地帯に属する話ではないかと思います。ナチスの蛮行については嫌というほど本が出ていますし、スターリンから毛沢東、ポルポトに至る共産主義者による大量虐殺の歴史も、クルトワ他の『共産主義黒書』(ソ連編・アジア編)などいくらでも読むものがありますが、ここはわりとすっぽり抜けている。最近出た馬場公彦『世界史の中の文化大革命』では、世界史的視野から取り上げています。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/post-6a1c.html (馬場公彦『世界史のなかの文化大革命』)

 

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