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2019年12月16日 (月)

管理職の労働法政策@『季刊労働法』2019年冬号

1911163_o 既に案内していた『季刊労働法』2019年冬号(267号)が刊行されました。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-aa216b.html

◎特集 ILO100周年・その役割と展望

未批准条約の効果―日本労働法に与えた影響 ILO駐日代表 田口晶子

使用者は何処に? ILO事務局本部上級法務官 野口好恵

個別的労働・雇用関係法の実現方法におけるILOの役割と展望 ILO国際労働基準局・労働法務官 戎居皆和

未批准条約の意義と可能性―中核的労働基準の111号条約を例に 弁護士 大村恵実

非典型雇用とILO 早稲田大学名誉教授、現IDHE-ENS-Paris-Saclay客員研究員 鈴木宏昌

◎第2特集 「雇用によらない働き方」の論点

個人就業者をめぐる議論に必要な視野と視座とは~「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会中間整理」を読みつつ 労働法学研究者 毛塚勝利

業務委託契約を利用した事業組織と労働者性・使用者性―ベルコ事件を契機として 岡山大学准教授 土岐将仁

再考・フランチャイズ契約と労働法―フランチャイジーの雇用類似の働き方 日本大学教授 大山盛義

◎■論説■

民法(債権法)改正と労働法 同志社大学教授 土田道夫

労働契約法20条をめぐる裁判例の理論的到達点 労働政策研究・研修機構副主任研究員 山本陽大

◎■アジアの労働法と労働問題 第39回■

中国におけるプラットフォーム経済の発展と労働法の課題 中国西南政法大学准教授 戦東昇

◎■労働法の立法学 第56回■

管理職の労働法政策 労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口 桂一郎

◎■判例研究■

育児介護休業法に基づく短時間勤務措置を理由とする不利益取扱い ジャパンビジネスラボ事件(東京地判平30・9・11労判1195号28頁)専修大学教授 石田信平

間接差別法理の意義と可能性 国家公務員昇格等差別事件(東京地判平31・2・27)北海道教育大学教授 菅野淑子

◎■研究論文■

労働協約の法的規律に関する一考察(3・完)ドイツにおける社会的実力要件と交渉請求権の議論を契機として 京都女子大学准教授 植村新

新たな契約類型としての「ライフ・タイム契約(Life Time Contracts)」トレント大学(イタリア)法学部教授 ルカ・ノグラー訳・解説 井川志郎=岡本舞子=後藤究

◎■書評■

豊川義明著『労働における事実と法』基本権と法解釈の転回 評者 弁護士 宮里邦雄

◎■キャリア法学への誘い 第19回■

就職・採用とキャリア配慮 法政大学名誉教授 諏訪康雄

◎■重要労働判例解説■

修学費用貸付の返還請求と労基法16条 医療法人K会事件(広島高判平成29年9月6日労経速2342号3頁)社会保険労務士 北岡大介

就業規則の新設・変更と固定残業代合意の効力 阪急トラベルサポート(就業規則変更ほか)事件 (東京高判平成30年11月15日労判1194号13頁、原審:東京地裁平成30年3月22日労判1194号25頁)北海学園大学法学部教授・弁護士 淺野高宏

わたくしの「労働法の立法学」は「管理職の労働法政策」です。

1 日本型雇用システムにおける「管理職」
(1) 日本独特の「管理職」
(2) 「職種」としての管理職
(3) 社内身分としての管理職
(4) 機能と身分の間
2 労働組合法の「利益代表者」
(1) 1945年労働組合法
(2) 1949年労働組合法
3 労働基準法の「管理監督者」
(1) 労働基準法制定時の概念
(2) 管理監督者と深夜業
(3) 金融機関における管理職をめぐる労使紛争
(4) 1977年通達
(5) 1987年改正時の拡大
(6) 2008年適正化通達
(7) 2008年チェーン店通達
4 労働基準法女子保護規定に係る管理職
5 監督者訓練
6 経営管理者の有料職業紹介事業
7 管理職組合
8 女性活躍推進法

じつはこれ、冒頭で「厳密に言えば、現代日本の労働法制上に「管理職」という概念は存在しません。」と大見得を切っておきながら、最後のところでじつは必ずしもそうじゃないことが露呈するといういささか不格好なことになっています。

いや、もちろん、冒頭の台詞は、こういうことです。

 厳密に言えば、現代日本の労働法制上に「管理職」という概念は存在しません。あるのは労働組合法上の「利益代表者」と労働基準法上の「管理監督者」です。前者は労働組合に加入できない労働者をさす概念であり、後者は労働時間規定が適用除外される労働者をさす概念です。両者も必ずしも同じ概念ではないですが、それ以上に日本の労働社会で一般に用いられている「管理職」という概念とはかなりの乖離があります。というのも、日常言語でいう「管理職」は、利益代表者や管理監督者がそうであるような意味で何らかの機能を指し示す言葉というよりは、企業という一個の組織内部において、年功的昇進によって得られるべき地位ないし身分を指し示す言葉になっているからです。・・・・

で、本稿の大部分は、この労組法上の「利益代表者」と労基法上の「管理監督者」をめぐる終戦直後から今日に至るまでの法政策の歴史を振り返っているわけなので、その限りではこの台詞は正しいのですが、最後のあたりにいくつかおまけを付け加えた結果、もっと厳密に言えば現代日本の労働法制上に「管理職」という概念が存在することを白状しちゃっています。

・・・・ 2015年8月に成立した女性の職業生活における活躍の推進に関する法律は、300人超(2019年改正により100人超に拡大)の企業に対して事業主行動計画の策定・公表を義務づけていますが、その際分析すべき事項の一つとして「管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合」が含まれています(第8条第3項)。この「管理職」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令第2条第1項第4号による略称)は、通達(平成27年10月28日雇児発第1028第5号)によって課長級以上の役職にある労働者と定義され、その「課長級」とは「事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、その組織が二係以上からなり、若しくは、その構成員が10 人以上(課長を含む。)のものの長」とされています。いずれにしても、労働基準法の「管理監督者」とはかなり異なる概念です。

 

 

 

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