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2019年12月 9日 (月)

佐藤博樹,藤村博之,八代充史『新しい人事労務管理 第6版』

L22144 佐藤博樹,藤村博之,八代充史『新しい人事労務管理 第6版』(有斐閣)をお送りいただきました。

http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641221444

ほぼ2年間隔がデフォルトになりつつある労働法に比べるとまだ改訂の間隔は大きいですが、それでもほぼ4年ごとの改訂というのは、この分野の変化の激しさを物語っているといえるでしょう・

日本企業の実態を踏まえて人事労務管理を解説する好評定番テキスト。労働法制の改正に加え,働き方改革等,多様な人材が活躍できる職場づくりへの対応など,雇用環境が大きく変化しつつある中,今後を展望するためにも必須となる基礎的な理解を得られる一冊。 

目次は次の通りで、第5版とそれほど変わっていませんが、第5章が「労働時間管理」から「労働時間と勤務場所の管理」になり、「勤務場所の柔軟化と多様化」という節が新設されているのは、時代を示していますね。

第1章 企業経営と人事労務管理──人事労務管理の機能と担い手
第2章 雇用管理──人と仕事の結びつき
第3章 職能資格制度と職務等級制度──人事制度と昇進管理
第4章 賃金管理──給与決定の仕組み
第5章 労働時間と勤務場所の管理──労働サービスの供給量と供給のタイミングの管理
第6章 能力開発──能力を高める意義と方法
第7章 非正規従業員と派遣労働者──コンティンジェント・ワーカーの活用
第8章 従業員の生活支援──企業の福利厚生制度
第9章 労使関係管理──労働者の利益をいかに守るか
第10章 人事労務管理の変遷と展望──歴史的・国際的な位置づけ
終 章 幸せな職業人生を送るために

コラムにも、44ページに「転勤と勤務地限定制度」というのが設けられています。

コラムといえば、79ページに「ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用」というのもあり、

・・・一般に、メンバーシップ型は評判が悪い。学会でもセミナーでもメディアでも、ゼミの学生の卒論でも、みなジョブ型がよいという。メンバーシップ型は常に『悪玉』である。・・・

と書かれていますが、いやあそうかな。

このコラム、それぞれのメリット、デメリットを挙げた上で、こう締めくくっています。

・・・ここから明らかなように、メンバーシップ型とジョブ型の違いは単に賃金を仕事で決めるかどうかという違いにとどまらず、人事権や、根源的には、その前提となる雇用保障の問題を内包している。しばしば職能給から職務給への転換が主張されるが、そのためには、まず人事制度を『メンバーシップ型』から『ジョブ型』に転換しなければならない。そして、それには外枠である『雇用』に関する考え方を変えなければならないのである。

も一つ、今日的なトピックを扱っているコラムが173ページの「部下育成とハラスメント」です。

・・・このハラスメント、特にパワハラが人材育成に悪い影響を与えている。部下育成のために上司が少し強い言葉で指導すると、その部下は『パワハラをされた』と感じ、社内のハラスメント委員会に訴え出る。上司としては、嫌がらせをしたつもりは全くないのに、部下からハラスメントだといわれ、、愕然とする。すると、『この程度のことでパワハラだと言われるのなら、指導するのは最小限に止めておこう』と考え、指導した方がいい局面でも指導に二の足を踏む。これは、部下にとって大きな損失になりかねない。・・・・

これも、さらに深く考えると、スキルをまったく持たずにまっさらの状態で入ってきた若者を、上司や先輩がびしびし鍛えて成長させるという、メンバーシップ型人事システムだからこそ起こる話なんですね。始めからその仕事ができる人間を採用するジョブ型社会では、そいつが仕事をできるように成長させる義務はないので、指揮命令に従わない奴や仕事ができない奴は契約違反にすぎないので、普通解雇するだけの話。成長させる義務もないのに余計なお節介をしていれば、それは嫌がらせ以外の何物でもない。そういうジョブ型社会の常識をそのままメンバーシップ型社会に持ってくると、いろいろと矛盾が生じるわけです。

 

 

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