鈴木孝嗣・長谷川崇『あなたの会社に「ドラマクイーン」はいませんか?』
鈴木孝嗣・長谷川崇『あなたの会社に「ドラマクイーン」はいませんか?-残念な管理職への対処法-』(労働新聞社)をお送りいただきました。
https://www.rodo.co.jp/book/9784897617916/
本書は、ドラマクイーン、ナルシスト、ブレイマーなど、異常な言動をとる「残念な管理職」(その行動の多くは、パワハラに該当する可能性があります)の特徴を概観し、部下としての対処法を解説します。共著者の一人である特定社会保険労務士の鈴木氏が「残念な管理職」の実態分析と対応策を整理し、産業医として数多くの会社の現場を見てきた精神科医(医学博士)の長谷川氏が、異常な言動をとる管理職について、精神医学的な視点から分析を行っています。
ドラマクイーンという言葉は本書で始めて知りましたが、「ドラマのヒロインのように芝居がかった行動をとる人、物事に対してオーバーリアクションをとる人、些細な事柄をさも大事のように誇張して語る人」のことだそうです。
そういうのが自分の上司に来たりしたらたまりませんね。本書にはそういう実例がいっぱい載っていて、そういう人々に対してどのように対処したらいいのか懇切丁寧に解説しています。
試し読みできるところからいくつかの例を:
会社幹部によるビジネスミーティングの席上、製品販売の入金が1週間後ろ倒しになったことを、会社倒産の危機でもあるかのように大げさに騒ぎ立て、担当部長を「給与泥棒」呼ばわりし、「今すぐ客のところに行って、集金できるまで帰ってくるな!」などと声を荒げ、延々と叱責する。
会社の業績が(赤字ではないものの)目標を達成できないことが見えてきた段階で緊急会議を招集した経営幹部が、「君たち一人一人がきちんと責任を果たさないからこうなった。こんなことでこれからどうやっていくつもりだ!?」と、涙目で絶叫する。悲劇のヒーローは自分で、駄目な部下たちのせいで自分は責任をとらざるを得ない、ということをアピールするワンマンショーになっている。
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仕事をするために会社に来ているのに、興奮して絶叫し続ける上司の三文芝居を見続けるほどこちらは暇ではない。。「早く職場に戻って、あの仕事、この仕事、それに部下への指示もしなければならないのに・・・」と思うと、拷問のような時間を耐えて黙り込むことに限界が来て、反論の一つもしたくなるかも知れないが、これにはそれなりの対処法があるので、第2章を参照していただきたい。
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