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2019年10月25日 (金)

源氏物語はセクハラストーリー!?

712_11 『日本労働研究雑誌』11月号は、毎年恒例の「労働判例この1年の争点」と、特集は「ハラスメント」です。

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/new/index.html

ハラスメントについては、

各国ハラスメント法制とわが国の現状  山﨑文夫(平成国際大学名誉教授)

パワー・ハラスメント防止のための法政策 小畑史子(京都大学大学院教授)

ハラスメント加害者の更生はいかにして可能か─加害者への臨床心理社会学的な実践をもとにして考える 中村正(立命館大学教授)

防止対策強化でセクハラは無くなるか─職場の権力構造とセクシュアル・ハラスメント 牟田和恵(大阪大学大学院教授) 

といった論文が並んでいますが、ここでは思いっきり現代の労働問題とはかけ離れているように見えるけれども、実は通底している問題を指摘している一節を。牟田さんのセクハラ論文の中に、こういう一節が出てくるんです。

・・・近代的労働形態の登場以前、大店の番頭や若主人から奉公人や女中に「手を出す」「手を付ける」などの話は珍しくもなかったし、さらに言えば、平安時代に書かれた『源氏物語』さえ、帝の息子であり朝廷で権勢を誇る光源氏が朝廷で働く女官を、相手が嫌がっていようが、次々と性的に籠絡していく物語で、セクハラストーリーの連続として読むことも出来る。・・・

いやいや、これを読んだあなたが今思ったことを牟田さんはちゃんと予想していて、これに付けられた注で、こう述べているんですね。

・・・筆者がこのことを指摘すると「日本の誇る古典文学をセクハラ物語と見るなんて、侮辱である」という激しい反発を受けることがある。しかしむしろ逆に筆者は、主人公ではない周縁的な東女人物である女性たちの、現在にも通じる、表面化しがたい葛藤や苦難を描いているという点で、素晴らしい作品であるとより高く評価できると考えていることを蛇足ながら付言しておきたい。・・・・

いや、この一節がいちばん印象に残ったもので。

 

 

 

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コメント

Aという世界ではセクハラと認識されないことが、Bという世界ではセクハラと認識されるということは、極めて一般的な事象ですから、“現在にも通じる”というのは引用部分からでは、何だか、よく分からないですよね

“表面化しがたい葛藤や苦難”というだけであれば別段、セクハラに限った話ではないでしょうし

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