小野寺忠昭・小畑精武・平山昇『時代へのカウンターと陽気な夢』
一昨日、JILPT主催の労働政策フォーラム「労働時間・働き方の日独比較」が開催され、私も総括討論のパネリストとしてちょびっと登場したのですが、
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20190930/index.html
その様子はアドバンスニュースで報じられていますが、
https://www.advance-news.co.jp/news/2019/09/post-2907.html
・・・パネルディカッションでは、佐藤教授をコーディネーターに、日独両国で注目されている「モバイル勤務」で意見交換。濱口桂一郎同機構研究所長が「日本では仕事と生活の境界が曖昧になり、長時間労働の歯止めが掛からなくなる可能性がある」と指摘。これに対して、デュベル氏は「健康管理上から労働時間の限度を決める必要はある」と述べたが、この日の主要テーマだった「日独比較」は時間切れに終わった。
実はこの場で、情況出版の服部さんから本を頂きました。それが小野寺忠昭・小畑精武・平山昇『時代へのカウンターと陽気な夢 労働運動の昨日、今日、明日 』(社会評論社)なんですが、
http://www.shahyo.com/mokuroku/gendai_shahyo/labor/ISBN978-4-7845-1365-9.php
23人の執筆陣が自らの運動体験を省みて、明日に向かって<陽気な夢>の弾丸を撃つ!自主生産と地域ユニオンによるコミュニティ型労働組合の形成へ。
正直、かつては若かった老人たちが昔の活躍ぶりを語り合っている感があって、副題に引っかけていうと、「昨日」の話が「今日」や「明日」につながっていないような感がありました。
いや、服部さんが言うように、「僕のような労働運動史好きからすると、これほど貴重な本は最近だと珍し」いのかもしれませんし、「かつての総評運動についてその担い手たちがどうかんがえているのか・・・是非ご見解をお聞かせ願いたい」という要望にもお応えしたいのですが、でも正直そこで語られる運動の周辺的過ぎて、あまりコメントが浮かんでこないんです。たとえば、東京総行動が重要な役割を担ってきたという文章がありますが、正直労働関係者の中でもほとんど知られていないのではないかと思います。
というだけでは何なので、本書の中のコラムで、ブログ・シジフォスの水谷研次さんが「減部に負けない『労働情報』」という小文を書かれていて、之がなかなか面白かったです。
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