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2019年9月 6日 (金)

公立学校教員の働き方改革の特効薬

これは私も前からそう思っているんですが。

上越教育大学の西川純さんのブログから。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20190905/1567642087

公立学校の働き方改革の抜本策は、独立行政法人に移行することです。そうなれは給特法からはずれ、労働基準監督署が査察に入るようになります。独立行政法人になった国立大学の附属学校は、査察が入った途端に働き方改革が進みました。ようはお金の問題にすればいいのです。

ま、無理でしょうね。でも、崩壊したらすぐにそうするでしょう。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20190905/1567673441

地方公務員法の第58条の5に労働基準法に関する職権は人事委員会が行うものとしています。だから公立学校に労働基準監督署の監査が入らないのです。でも、労働時間に関する労働基準法は公立学校にも適用されています。だから、人事委員会が労働基準監督署と同様に、法に従った指導をすればブラック勤務はあり得ません。しかし、それをできるだけのマンパワーも、意思もありません。

つまり地方公務員法の第58条の5を削除すれば、独立法人にならずとも働き方改革はできます。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20190905/1567684577

今の状態を改善で解決するか、改革で解決するかは大きな違いです。そして、崩壊する前は、行政は改善で解決しようとします。しかたがありません。行政は今の多くのユーザーに応えなければなりません。解決できなくても、今のニーズに応えなければなりません。

給特法で言えば、上乗せ分を現行4%から数%上げるというのが改善。給特法を廃止するのが改革。地方公務員法の第58条の5に関して言えば、人事委員会の機能強化は改善。地方公務員法の第58条の5を廃止するのが改革。

でもね、改善は解決には繋がりません。だって、現状の規定を有名無実にしている論理が改善するだけのことですから。

本来の官公署ではなく、民間でも私立病院や私立学校があり、そこには労働基準監督官が臨検監督するという状況で共通する公立病院と公立学校で何が違うのか?

公立病院には労働基準監督官が臨検監督して(病院の論理ではなく一般社会の論理で)違反があれば摘発するのに対して、公立学校はそうなっていないという点なのですね。

 

 

 

 

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コメント

濱口先生の記事はいつも勉強になります。ありがとうございます。
元とはいえ教職員であった手前、多少なりは教職員関係の法律について知っていたつもりでしたが、このような記事を読むたびにやはり自分は素人なのだ恥じ入るばかりです。
それでも戦々恐々としながらも心動かされるものがありコメントさせて頂きました。
この58条の5というのは濱口先生が過去に仰ってた「自分で自分を監視する」というものだと推測します。
また過去にコメントした時にも先生が仰られてた、教職員関連の法律の妙なねじれの部分もこのあたりなのかなと感じました。
とはいえ教職員関係の法律は36協定や58条の5以外にも爆弾がまだまだ隠されてそうで一筋縄ではいかなそうだなというのが素人ながらの率直な感想です。
特に上記で西川純先生が仰られてる「ようはお金の問題にすればいいのです。」という一文は、教職員の労働時間で解決したいのは長時間労働の是正であって本来残業代うんぬんはあまり関係ないにも関わらず、お金の問題にしないと結果解決しないという話は皮肉なものだと感じます。
そして「崩壊」という言葉も気になります。
この「崩壊」が起きれば、改革の開始から落ち着くまでの間、今以上に教職員の業務に支障をきたし、教師と子供の共々にいい影響を与えないことは想像に難くありません。
既に教職員から退いた身ゆえやや免罪符なってしまいますが、私より下の世代の教師、そして教師を目指すかもしれない未来ある子供達には、どうかその「崩壊」が訪れる前に少しでも早く教職員の労働環境に改革が起きるよう願うばかりです。

コメントありがとうございます。
この問題はいろんなことが絡み合っているのですが、教師一般の働き方の特殊性という話と、法制度上は公立学校の地方公務員たる教員だけに特別な規制が設けられていることとが、ややごっちゃに議論されているきらいがあると感じています。
今年2月に『労基旬報』に寄稿した小文では、そのあたりを腑分けしようとしたつもりですが、却ってわかりにくくなってしまったかもしれません。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/2019225-de99.html

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