大村秀章愛知県知事の国会議員時代の質疑@『日本の労働法政策』
今、あいちトリエンナーレへのテロ予告事件への対応などで話題の人となっている大村秀章愛知県知事ですが、実は知事になる直前に、野党自民党の議員として当時の民主党政権に対して同一労働同一賃金にかかる質疑を行い、それがやがてこの問題が法政策として進展していくきっかけの一つとなった方でもあります。
おそらく政治学者や政治評論家といった政治系の人は全く関知していないであろうし、労働法学者や労働実務家の方々もそんな細かいことは知らないであろう、歴史の一エピソードを紹介しておきます。
こういう単体では一見とんでもなくトリビアだけれども、実は歴史の積み重ねの中に置くと意味を持ってくるような出来事が、さりげに書き込まれているのが、拙著『日本の労働法政策』なんです。
第3部 労働条件法政策
第5章 賃金処遇法政策
第4節 均等・均衡処遇(同一労働同一賃金)の法政策
3 同一労働同一賃金法政策の復活
(5) 同一(価値)労働同一賃金原則に係る検討の開始
・・・・一方同時期に、野党になった自由民主党から同一(価値)労働同一賃金をめぐる興味深い国会質問がなされている。2010年5月18日の衆議院決算行政監視委員会第三分科会で、元厚生労働副大臣の大村秀章議員は、「アメリカとかヨーロッパは、それぞれの国の国柄も違うと思いますが、同一価値労働同一賃金、例えば同じ業種、自動車なら自動車業で働いていれば、会社が違ってもこの仕事は幾らというような、こういう職種別のもの、産業別のものが決まっているわけですね。そこら辺までいかないと、この問題は最終的に、正規、非正規の均等待遇というのは実現できない」と述べ、同年5月21日の衆議院厚生労働委員会においても「この同一価値労働同一賃金ということを、もし仮にといいますか、日本で実現をするとしたら、何が必要で、何が足らなくて、どういうことが論点になるのか、その研究会や勉強会をやはりできるだけ早く前広にスタートをさせていただきたい」と問いかけている。
これに対して民主党政権の細川律夫厚生労働副大臣から「本当にこの同一価値労働同一賃金は大事なことでありますので、まず、どういう論点があって、これをどういうふうに解決していったらいいかということについて、専門家、有識者の方から御意見をいただきまして、そこで研究会を立ち上げることが必要かというようなことになりましたらば、そのような形で進めてまいりたいというふうに思っております。」という答弁がなされ、これを受ける形で上記労働政策研究・研修機構の「雇用形態による均等処遇についての研究会」が開催されたという経緯がある。・・・・
ちなみに、原資料の国会議事録はこちらです。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/004317420100518002.htm
せっかくなので、大村議員と長妻厚労大臣及び細川副大臣とのやりとりの部分を紹介しておきましょう。
○大村分科員 ・・・・次は、正規、非正規の格差是正、それから非正規雇用の処遇改善ということについて少し議論をさせていただければというふうに思っております。
私、先ほどの派遣の話もありますが、一昨年のリーマン・ショック以来、本来の議論というのは、正規、非正規の格差の是正、処遇改善が一番大きなポイントであったと思うわけでございますが、残念ながら、マスコミ等々の議論になりますと、非正規の処遇改善の話イコール派遣の問題だというふうにどうもすりかえられてしまったのではないかというふうに思わざるを得ません。
非正規雇用のうち、派遣という働き方、非正規雇用が千七百万人台だとすれば、派遣という働き方、労働力調査では百万人ちょっと、そして事業者の調査では二百万人ということでありますから、いずれにしても、千七百万からすれば、一割弱か一五%ぐらいということだろうと思います。
もちろん、派遣の方の処遇改善というのは非常に大事だということですから、我々も昨年、派遣法の改正法案を出して、これはやはり是正をしていかなきゃいけないということを申し上げてきたわけでありますが、本来のあり方というのは、議論のフォーカス、ポイントというのは、やはり正規、非正規の格差の是正、そして非正規雇用の処遇の改善ということだと思います。
それで、その際の議論として、できるだけ常用雇用にする、正社員にする、均衡・均等待遇にする、それから最低賃金を引き上げる、また教育訓練、能力開発をやる。また、ジョブカードというのも我々が、これはちょうど三年前に成長力底上げ戦略というのをやって、その中で、ジョブカードというのをやるべきだ。いわゆる正規雇用ではない方々の職業訓練、能力開発ということで、ジョブカードという制度をつくるということでつくったわけでござまして、そういったことを総合的にやっていくというのは大変大事だと思いますが、その際に一番のポイントは、細川副大臣もお越しいただきまして、これは本当に議論という形で受けとめていただきたいんですが、その際に大事なのは、同一価値労働同一賃金ということだと思うのでございます。
特に私は、リーマン・ショック時に厚生労働副大臣をやり、派遣村等々でもお世話、お仕事もさせていただき、その際にいろいろ思ったのは、やはり正規、非正規の方々の格差が非常に大きい。それをまさにそのままにしておきますと、いざ不況の直撃を受けるとこういうふうになるということを目の当たりにしたわけでございます。
これは、日本の労働市場が完全に二極化しているということ、正規と非正規、それから日本の企業も大手と中小企業で二重構造、二極構造になっているということから生じるということを評論家はしゃあしゃあと言うわけでありますが、我々はそうはいかないわけでございまして、こういう形の労働市場の二極化をそのままにしておきますと、また景気が悪くなると、またどんと職からあふれる人が出てくる。そういうことが繰り返し繰り返しあると、私は日本の社会の安定性という点で非常に問題が多いというふうに言わざるを得ないと思います。
ですから、その際、これを解決するのは、正規の人でも非正規の人でも同じような処遇を受ける、同一価値の労働をすれば同一の賃金、労働の評価というのは最終的に賃金でございますから、いろいろな福利厚生とかそういうフリンジベネフィットは別にして、やはり賃金を、どう評価するかということになろうかと思います。そこのところを解決しない限り、何年たっても、いつまでたっても、この正規、非正規、だから、派遣をどうのこうのしようが、非正規雇用の方の契約期間を長くしようが、何しようが一緒だと思うんですね。ですから、そこのところを、どういうふうにこの問題に取り組んでいくかというのを、もっともっと議論を巻き起こしていかなきゃいけないというふうに私はかねてから思っておりましたし、そういうふうに申し上げておりました。
ただ、残念ながら、日本の今の働き方からすると、正社員があって、そして仕事の繁閑は臨時の方で、派遣の方で対応する、正社員は仕事が多かろうが少なかろうが常に守るんだ。日本の企業は、会社は家で、正社員が家族だ、あとは家族以外のところで調整するというのがこれまでずっと続いてきたと思うんですが、それではもう立ち行かないところまで来ているのではないかというふうに思います。
ですから、これは率直に、大臣、副大臣というよりも政治家としてのお考えをお聞きしたいんですが、まず、同一価値労働同一賃金についてどういうふうにお考えになりますか。是か非かというそんなデジタル的なことを聞くつもりはありませんが、どういうふうにお考えなのか。大臣、副大臣にそれぞれお考えをお聞きしたいというふうに思います。どちらからでも結構です。
では、まず細川副大臣。
○細川副大臣 今、大村委員の方から御指摘がありました。その問題については私としましても同じような認識でありまして、この点については大変重要な、大事な課題だというふうに思っております。正規、非正規を問わず、同じ価値のある労働をしている場合には同じ賃金であるべきだ、それについては私も同感でありまして、これについては委員と同じような認識をいたしております。
そこで、では、そのことが簡単に実現できるか、日本の社会でそれが実現できるかということについては、委員も御指摘がありましたようないろいろな課題がございまして、それを乗り越えなければ、これはまた実現もなかなか難しいというふうに思っております。
そういう意味では、今度新しく、昨年暮れに、新成長戦略、こういうことを決めまして、その中に同一価値労働同一賃金という文言も入れまして、それに向けました均等・均衡待遇の推進ということでまずは取り組んでいくということを政府の方としては決めているところでございます。
○長妻国務大臣 今のお尋ねで、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇を推進するというのは新成長戦略にも書いてあるわけでありまして、これを目指していくというのはそのとおりだと思います。
そのときに、例えばヨーロッパと異なる労働慣行といいますか、年功序列賃金でいえば、例えば、同じ係長であっても、年次の高い係長は、同じ仕事をしていても、日本の国の場合は年功序列賃金ですから賃金が高い。あるいは、同じ係長でも、同じような仕事をしていても、年功序列賃金であれば、例えば三十歳の係長は五十歳の係長に比べても安い。こういう労働の年功序列賃金ということについても、直ちに否定するか否かというような論点もございます。
ただ、おっしゃられるように、非正規雇用がふえて雇用が不安定になる、こういう問題もありますので、これはやはり労使ともにきちっと御意見を伺って、目指すべき方向はおっしゃった方向だと私も思いますけれども、それに向けて一歩一歩進んでいく、論点を解決しながら進んでいくことが必要だというふうに考えております。
〔主査退席、石田(芳)主査代理着席〕
○大村分科員 先ほど細川副大臣が言われた新成長戦略に、確かに、「「同一価値労働同一賃金」に向けた均等・均衡待遇の推進」、こう書いてあるんですけれども、これは文言は書いてあるんですが、では具体的に何をするの、何か具体的なものがあるのと言うと、いや、ないとかいう話が事務方なんですね。言葉が躍っているというのでは、これではいかがなものかというふうに言わざるを得ません。これを詰める気はありません。
要は、今現状の日本の企業、いわゆる賃金交渉、春闘も含めて、個別の企業と企業別労働組合とで交渉し、同じ仕事をしていても会社ごとに違う、支払い能力が違うからしようがないじゃないかというようなことにはなっているんですけれども、そういう現状をそのままにしておきますと、当然、大手と中小の格差というのはそのままだ、正規と非正規もそのままだということになりますと、いろいろな法律の手当てを周辺部分でこちょこちょとやっても、最終的に、正規と非正規の方々の、特に非正規雇用の処遇改善というところの本丸になかなかたどり着けないというふうに思わざるを得ないんですね。
これは、企業側、会社側、経営側もそうですし、やはり労働組合の皆さんも、表では同一価値労働同一賃金というふうに言いますけれども、本音は、個々の人に聞いてみれば、正社員の代表である労働組合の方々は、いやいや、不況になったときに、では、あなた方の賃金を下げて非正規の方に回しますかと言うと、嫌なこった、そんなものは、正社員を守って、非正規の方はまた自分で考えてくれればいいんだということを言うんですね。言うんです。それが本音なのかもしれませんが。でも、それを、今の枠組みをそのままにしておきますと、いつまでたってもこの正規、非正規の方の均衡・均等待遇というのは実現できないというふうに言わざるを得ません。
ですから、現状から、では来年とか、三年とか五年ぐらいですぐ到達できるかというと、そう簡単にいかないと思いますが、まずはこういうところに、ただ文言を書くだけではなくて、それに向けた議論を、議論といいますか研究というか、何が論点なのか、何がハードルなのか、何を乗り越えたらいけるのか。
現に、アメリカとかヨーロッパは、それぞれの国の国柄も違うと思いますが、同一価値労働同一賃金、例えば同じ業種、自動車なら自動車業で働いていれば、会社が違ってもこの仕事は幾らというような、こういう職種別のもの、産業別のものが決まっているわけですね。そこら辺までいかないと、この問題は最終的に、正規、非正規の均等待遇というのは実現できないというふうに思うんです。
ですから、そういう意味の、何が問題点で、何を議論したらいいのか、その論点、ハードルは何か、そういう研究をまずスタートしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか、細川副大臣。
〔石田(芳)主査代理退席、主査着席〕
○細川副大臣 大村委員の御指摘は、大変示唆に富むところもございます。そういう同一価値労働同一賃金ということを実現するためには、いろいろな高いハードルを乗り越えていかなきゃいかぬ。そもそも賃金そのものはどういうふうにして決まるかというと、まず前提として、大前提が労使で決まるというのが、これがもう大原則でありまして、その労使が合意できるためには、相当の、政府の方としてもいろいろな労使に対する説得もしていかなければいけないのではないかというふうに思います。
いろいろ、先ほども派遣法の改正案、これは労政審でも審議をしていただいたわけですけれども、この労政審の審議では、やはり、労使が本当のぎりぎりのところまで歩み寄っていただいてこの派遣法の改正についての御意見をつくっていただいたというような、そういう経過を見ましても、同一価値労働同一賃金については、労使とも、いろいろこの問題について真剣に今後取り組んでいかなければならないだろうというふうにもお考えになっているというふうに思いますので、政府としては、その労使に向けて、粘り強くいろいろな説得、また御理解もいただくようにやっていくしかないというふうに思っております。
○大村分科員 今現状で多分これをやるというので、説得してどうのこうのという話とちょっと違うと思うんですね。というのは、正規、非正規の方は、同じ仕事をしていれば評価を同じにしていく、そして雇用条件も同じにしていくということになりますと、それは個々の企業内の労働組合という枠を超えていくと思うんですね。
ですから、私が申し上げているのは、日本の企業風土とか労働組合のあり方とか、そういった日本人の働き方の意識とか、大手と下請とかそういう意識を全部変えていく話がないと、これが実現できないと思うんです。ですから、そういう意味で、まず私は、真剣に、研究会というか勉強会というか、労使、政も入って政労使ということになるんだろうと思うんですが、そういう形で、まず論点は何か、目指すべきところは何なんだというふうな形を、やはり研究とか研究会のようなものを、これは労政審の中に部会を設けてということでも結構だと思いますが、そういった形の、少し長期の視点を見据えた、日本人の働き方はどうあるべきなのかということのやはり研究会、勉強会、そういったものを労政審の中でスタートさせて、別に、だから私、極端に二年や三年でゴールラインが来るとはそう簡単には思えませんが、そういった形の勉強会とか研究会をスタートさせるということは、これはいかがでございましょうか。
私は、そういったところが、特に役所の皆さんは常に目の前の仕事で、ああ、また国会が始まった、次はこの法律改正をやらないかぬとか、ああ、今度またこの予算で事業をやらないかぬとか、常に常に目の前の仕事に追いまくられていきますから、長期の視点で考えるということがなかなか難しい面があるかと思います。
ですから、むしろ私は、一昨年のリーマン・ショックの後の、特に象徴的だったのは、派遣切りで職を失った方が、もうあしたから出て行けと言われて、荷物と本人と一緒に路上にどんとかいって追い出されるようなことが、間々といいますか、少なからずといいますか、あった。こんなことを繰り返したのでは日本の社会の安定というのはあり得ないというふうに思います。一方で、海外とは競争していかないかぬ、それからどんどん日本の企業も海外に展開していく。そういう中で、一体日本人の働き方はどうしたらいいのかということをやはり考えていく必要があると思います。
その際の一番のポイントが、この同一価値労働同一賃金をどういうふうに目指していくのか。ハードルは高いし、論点は山のようにあると思いますが、ぜひ、その研究会といいますか、そういったものをスタートさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○細川副大臣 その点につきましては、厚生労働省の中に有期労働契約研究会というのを設けまして、今委員が御指摘のような問題を研究いたしております。この夏には中間的な報告もできて、委員の方にもそのことについて御報告できるかと思います。
また、雇用政策研究会も今つくりまして、これもまた今検討をしていただいているところでございます。
○大村分科員 今言われた有期労働契約研究会は必要なことだと思いますが、ちょっと、範囲が非常に狭いので、これはこれでやっていただければいいと思いますが、そもそもの日本の働き方、雇用全体を縦ぐしで通す、横ぐしじゃなくて縦ぐしで通すような議論を私はやはり、難しいからこそできるだけ早目に前広にやっていく必要があるんじゃないかというふうに思います。
これこそ、実際にやろうとなると、経済界も、そして労働界、連合の中でも相当な議論が私は出てくるというふうに思います。春闘のあり方、本来あるべきあれじゃなくて、去年より比べて幾ら上がるのか下がるのかというデルタxの世界が日本の春闘だったというふうにも言われておりますが、そういったことも含めて大きく変えていく話になると思いますので、ぜひこれは長妻大臣、細川副大臣のリーダーシップで、こういったものはやはり、私は、細かいことをこちょこちょやるのが政治主導だとは思いません。こういった大きな方向をつくるということで、これはぜひ政治主導でこういう研究会をスタートさせていただきたいということを申し上げまして、この点についてはまた次の機会といいますか、機会があればこういう形の議論をしたいなと思いますので、またよろしくお願いいたします。
きょうは、時間をいただきましてありがとうございました。以上で終わらせていただきます。
これの続きが、5月21日の衆議院厚生労働委員会です。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/009717420100521022.htm
○大村委員 ・・・・先般、同じく五月十八日の火曜日に、決算行政監視委員会で、私、特に労働問題を中心に質問をさせていただきました。労働者派遣法、それから同一価値労働同一賃金の問題ということも含めて質問させていただきました。その際、きょうちょっと時間が、この後法案に入らなきゃいけませんので、一点だけ、同一価値労働同一賃金の話につきまして質問をさせていただきたいと思います。
質問というか、これは細川副大臣に確認ということでございますが、そのときも、決算行政監視委員会でも申し上げました。やはり派遣の問題というのは、正規、非正規の処遇改善、格差是正の一部の問題である、むしろ、一番大事なのは、正規雇用、非正規雇用の格差の是正、非正規雇用の方の処遇の改善ということが一番大きな目標であるというふうに思います。
私も、そちらの方にいた昨年のときは、よく雇用の問題で、いろいろな討論会、テレビを含めて出させていただきました。その際申し上げたのは、一番大事なのは正規、非正規の格差の是正、処遇の改善だと。それをやっていくためには、最終的に何が一番格差なのか、処遇の改善なのかといったら、やはり給与、賃金の問題でございます。
したがって、そういう意味では、同一価値労働同一賃金というのをどういうふうな形で実現させていくのか。これは、ただ単に言葉で、言葉はみんな言うんですよ。言葉は言う。でも、それは今の現実の、企業内労働組合で個々の企業ごとに賃金改定交渉、春闘を行っていく、同じ仕事をしていても企業ごとでその処遇が違うということを前提にすると、これはいつまでたっても正規、非正規の格差というのはなくなっていかないというふうに言わざるを得ません。
したがって、道は遠いのはわかりますけれども、であればこそ、その決算委員会でも私申し上げましたが、この同一価値労働同一賃金ということを、もし仮にといいますか、日本で実現をするとしたら、何が必要で、何が足らなくて、どういうことが論点になるのか、その研究会や勉強会をやはりできるだけ早く前広にスタートをさせていただきたいということを申し上げました。
その際、考えるというふうにお答えいただけたかと思いますが、今週の火曜日で、きょう金曜日ですから、こういうのは余り間を置かない方がいいと思いますので、ぜひ、細川副大臣、この研究会、勉強会、どういう形かは問いませんが、スタートをしていただけますか。お答えいただけますか。
○細川副大臣 先日、決算行政委員会で、大村委員との間でこの同一価値労働同一賃金について議論をさせていただきました。
その際も申し上げましたけれども、賃金を決定するのは、基本的には労使での合意によって決まるんですけれども、今委員が言われましたように、本当にこの同一価値労働同一賃金は大事なことでありますので、まず、どういう論点があって、これをどういうふうに解決していったらいいかということについて、専門家、有識者の方から御意見をいただきまして、そこで研究会を立ち上げることが必要かというようなことになりましたらば、そのような形で進めてまいりたいというふうに思っております。
○大村委員 きっちりした仕掛けで大きないわゆる研究会、勉強会とまでは、いきなりとは私申し上げませんが、やはり雇用政策、労働政策の一番大きなポイントの一つだと思いますので、その論点整理に沿って、今までのいろいろな研究の成果というのはあると思いますから、ぜひそういったものを集めてきていただいて、最初は頭の体操から始めるんだろうと思いますが、そういったことの論点整理、そして、何がこれまで議論され、何がこれから課題になり、何を乗り越えていったらこれが実現していくのか、前進させていけるのかということについて、ぜひその議論をスタートさせていただきたい、そのことを強く申し上げておきたいと思います。
その上で、厚生労働省がそういった議論、研究をスタートした、経済界も労働界も関係者も含めてそういった議論を積み重ねていくということがこの問題を前進させていく上で一番大きなかぎになると思いますので、ぜひその点については強く申し上げておきたいと思います。
またこの点については、別に今すぐやれとかなんとかという詰めるような話はいたしませんが、やはり大事な話だと思いますから、引き続きフォローさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。・・・・
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