『HRmics』33号
海老原さんちのニッチモの『HRmics』33号が刊行されました。中身はここで全部読めます。
http://www.nitchmo.biz/hrmics_33/_SWF_Window.html
特集は「平成30年間で雇用はどこまで代った?」今回は珍しく統計データを駆使したものになっています。
私の連載「原典回帰」は、バリー&アーヴィング・ブルーストーン『対決に未来はない』を取り上げています。
恐らくほとんどの人が知らない著者だと思いますが、二重三重に絡み合った問題を考える上でとても参考になる本です。
「原典回帰」連載12回目はまたアメリカの本です。著者は父子で、父親のアーヴィングは既に亡くなっていますが、息子のバリーは存命中という半分古典状態。本書を選んだのは、父親のアーヴィングが戦後アメリカ労働運動の中枢にいた人だからであり、にもかかわらず本書ではそのあり方を(息子とともに)鋭く批判しているからです。アーヴィング・ブルーストーンはリトワニア系ユダヤ人の息子としてニューヨークに生まれ、終戦直後からゼネラル・モーターズ(GM)の工場で労働組合活動家として頭角を現し、全米自動車労働組合(UAW)のウォルター・ルーサー会長の下で副会長(GM担当)として活躍した人物です。本連載2回目で取り上げたサミュエル・ゴンバーズが19世紀的な職業別労働組合の旗手であったのに対し、ウォルター・ルーサーは20世紀的な産業別労働組合の代表選手であり、ニュー・ディール改革以後に確立した特殊アメリカ的な労使関係を体現する人物です。その懐刀であったアーヴィングが、引退後の1992年に労働経済学者の息子のバリーとともに刊行した本書では、まさにそのUAW型労働運動、アメリカ的労使関係を次のように批判的に描き出しています。曰く、・・・・・
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