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2019年7月 3日 (水)

医師、看護師等の宿日直許可基準新通達

去る7月1日に、厚生労働省労働基準局から「医師、看護師等の宿日直許可基準について」(基発0701第8号)、「医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方について」(基発0701第9号 )が発出されました。まだ厚労省のホームページには掲載されていませんが、さっそく日本病院会のホームページ上には載っているので、リンクを張っておきます。

http://www.hospital.or.jp/pdf/20_20190701_01.pdf

医師、看護師等の宿日直許可基準について

1 医師等の宿日直勤務については、次に掲げる条件の全てを満たし、かつ、宿直の場合は夜間に十分な睡眠がとり得るものである場合には、規則第23条の許可(以下「宿日直の許可」という。)を与えるよう取り扱うこと。
⑴ 通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。すなわち、通常の勤務時間終了後もなお、通常の勤務態様が継続している間は、通常の勤務時間の拘束から解放されたとはいえないことから、その間の勤務については、宿日直の許可の対象とはならないものであること。
⑵ 宿日直中に従事する業務は、一般の宿日直業務以外には、特殊の措置を必要としない軽度の又は短時間の業務に限ること。例えば、次に掲げる業務等をいい、下記2に掲げるような通常の勤務時間と同態様の業務は含まれないこと。
・ 医師が、少数の要注意患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等(軽度の処置を含む。以下同じ。)や、看護師等に対する指示、確認を行うこと
・ 医師が、外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間(例えば非輪番日であるなど)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等による診察等や、看護師等に対する指示、確認を行うこと
・ 看護職員が、外来患者の来院が通常想定されない休日・夜間(例えば非輪番日であるなど)において、少数の軽症の外来患者や、かかりつけ患者の状態の変動に対応するため、問診等を行うことや、医師に対する報告を行うこと
・ 看護職員が、病室の定時巡回、患者の状態の変動の医師への報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温を行うこと
⑶ 上記⑴、⑵以外に、一般の宿日直の許可の際の条件を満たしていること。
2 上記1によって宿日直の許可が与えられた場合において、宿日直中に、通常の勤務時間と同態様の業務に従事すること(医師が突発的な事故による応急患者の診療又は入院、患者の死亡、出産等に対応すること、又は看護師等が医師にあらかじめ指示された処置を行うこと等)が稀にあったときについては、一般的にみて、常態としてほとんど労働することがない勤務であり、かつ宿直の場合は、夜間に十分な睡眠がとり得るものである限り、宿日直の許可を取り消す必要はないこと。また、当該通常の勤務時間と同態様の業務に従事する時間について労働基準法(昭和22年法律第49号。以下「法」という。)第33条又は第36条第1項による時間外労働の手続がとられ、法第37条の割増賃金が支払われるよう取り扱うこと。したがって、宿日直に対応する医師等の数について、宿日直の際に担当する患者数との関係又は当該病院等に夜間・休日に来院する急病患者の発生率との関係等からみて、上記のように通常の勤務時間と同態様の業務に従事することが常態であると判断されるものについては、宿日直の許可を与えることはできないものであること。
3 宿日直の許可は、一つの病院、診療所等において、所属診療科、職種、時間帯、業務の種類等を限って与えることができるものであること。例えば、医師以外のみ、医師について深夜の時間帯のみといった許可のほか、上記1⑵の例示に関して、外来患者の対応業務については許可基準に該当しないが、病棟宿日直業務については許可基準に該当するような場合については、病棟宿日直業務のみに限定して許可を与えることも可能であること。
4 小規模の病院、診療所等においては、医師等が、そこに住み込んでいる場合があるが、この場合にはこれを宿日直として取り扱う必要はないこと。ただし、この場合であっても、上記2に掲げるような通常の勤務時間と同態様の業務に従事するときには、法第33条又は第36条第1項による時間外労働の手続が必要であり、法第37条の割増賃金を支払わなければならないことはいうまでもないこと。

医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方について

1 所定労働時間内の研鑽の取扱い
所定労働時間内において、医師が、使用者に指示された勤務場所(院内等)において研鑽を行う場合については、当該研鑽に係る時間は、当然に労働時間となる。
2 所定労働時間外の研鑽の取扱い
所定労働時間外に行う医師の研鑽は、診療等の本来業務と直接の関連性なく、かつ、業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者(以下「上司」という。)の明示・黙示の指示によらずに行われる限り、在院して行う場合であっても、一般的に労働時間に該当しない。
他方、当該研鑽が、上司の明示・黙示の指示により行われるものである場合には、これが所定労働時間外に行われるものであっても、又は診療等の本来業務との直接の関連性なく行われるものであっても、一般的に労働時間に該当するものである 。
所定労働時間外において医師が行う研鑽については、在院して行われるものであっても、上司の明示・黙示の指示によらずに自発的に行われるものも少なくないと考えられる。このため、その労働時間該当性の判断が、当該研鑽の実態に応じて適切に行われるよう、また、医療機関等における医師の労働時間管理の実務に資する観点から、以下のとおり、研鑽の類型ごとに、その判断の基本的考え方を示すこととする。
⑴ 一般診療における新たな知識、技能の習得のための学習
ア 研鑽の具体的内容
例えば、診療ガイドラインについての勉強、新しい治療法や新薬についての勉強、自らが術者等である手術や処置等についての予習や振り返り、シミュレーターを用いた手技の練習等が考えられる。
イ 研鑽の労働時間該当性
業務上必須ではない行為を、自由な意思に基づき、所定労働時間外に、自ら申し出て、上司の明示・黙示による指示なく行う時間については、在院して行う場合であっても、一般的に労働時間に該当しないと考えられる。
ただし、診療の準備又は診療に伴う後処理として不可欠なものは、労働時間に該当する。
⑵ 博士の学位を取得するための研究及び論文作成や、専門医を取得するための症例研究や論文作成
ア 研鑽の具体的内容
例えば、学会や外部の勉強会への参加・発表準備、院内勉強会への参加・発表準備、本来業務とは区別された臨床研究に係る診療データの整理・症例報告の作成・論文執筆、大学院の受験勉強、専門医の取得や更新に係る症例報告作成・講習会受講等が考えられる。
イ 研鑽の労働時間該当性
上司や先輩である医師から論文作成等を奨励されている等の事情があっても、業務上必須ではない行為を、自由な意思に基づき、所定労働時間外に、自ら申し出て、上司の明示・黙示による指示なく行う時間については、在院して行う場合であっても、一般的に労働時間に該当しないと考えられる。
ただし、研鑽の不実施について就業規則上の制裁等の不利益が課されているため、その実施を余儀なくされている場合や、研鑽が業務上必須である場合、業務上必須でなくとも上司が明示・黙示の指示をして行わせる場合は、当該研鑽が行われる時間については労働時間に該当する。
上司や先輩である医師から奨励されている等の事情があっても、自由な意思に基づき研鑽が行われていると考えられる例としては、次のようなものが考えられる。
・ 勤務先の医療機関が主催する勉強会であるが、自由参加である
・ 学会等への参加・発表や論文投稿が勤務先の医療機関に割り当てられているが、医師個人への割当はない
・ 研究を本来業務とはしない医師が、院内の臨床データ等を利用し、院内で研究活動を行っているが、当該研究活動は、上司に命じられておらず、自主的に行っている
⑶ 手技を向上させるための手術の見学
ア 研鑽の具体的内容
例えば、手術・処置等の見学の機会の確保や症例経験を蓄積するために、所定労働時間外に、見学(見学の延長上で診療(診療の補助を含む。下記イにおいて同じ。)を行う場合を含む。)を行うこと等が考えられる。
イ 研鑽の労働時間該当性
上司や先輩である医師から奨励されている等の事情があったとしても、業務上必須ではない見学を、自由な意思に基づき、所定労働時間外に、自ら申し出て、上司の明示・黙示による指示なく行う場合、当該見学やそのための待機時間については、在院して行う場合であっても、一般的に労働時間に該当しないと考えられる。
ただし、見学中に診療を行った場合については、当該診療を行った時間は、労働時間に該当すると考えられ、また、見学中に診療を行うことが慣習化、常態化している場合については、見学の時間全てが労働時間に該当する。
3 事業場における研鑽の労働時間該当性を明確化するための手続及び環境の整備
研鑽の労働時間該当性についての基本的な考え方は、上記1及び2のとおりであるが、各事業場における研鑽の労働時間該当性を明確化するために求められる手続及びその適切な運用を確保するための環境の整備として、次に掲げる事項が有効であると考えられることから、研鑽を行う医師が属する医療機関等に対し、次に掲げる事項に取り組むよう周知すること。
⑴ 医師の研鑽の労働時間該当性を明確化するための手続
医師の研鑽については、業務との関連性、制裁等の不利益の有無、上司の指示の範囲を明確化する手続を講ずること。例えば、医師が労働に該当しない研鑽を行う場合には、医師自らがその旨を上司に申し出ることとし、当該申出を受けた上司は、当該申出をした医師との間において、当該申出のあった研鑽に関し、
・ 本来業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理のいずれにも該当しないこと
・ 当該研鑽を行わないことについて制裁等の不利益はないこと
・ 上司として当該研鑽を行うよう指示しておらず、かつ、当該研鑽を開始する時点において本来業務及び本来業務に不可欠な準備・後処理は終了しており、本人はそれらの業務から離れてよいことについて確認を行うことが考えられる。
⑵ 医師の研鑽の労働時間該当性を明確化するための環境の整備
上記⑴の手続について、その適切な運用を確保するため、次の措置を講ずることが望ましいものであること。
ア 労働に該当しない研鑽を行うために在院する医師については、権利として労働から離れることを保障されている必要があるところ、診療体制には含めず、突発的な必要性が生じた場合を除き、診療等の通常業務への従事を指示しないことが求められる。また、労働に該当しない研鑽を行う場合の取扱いとしては、院内に勤務場所とは別に、労働に該当しない研鑽を行う場所を設けること、労働に該当しない研鑽を行う場合には、白衣を着用せずに行うこととすること等により、通常勤務ではないことが外形的に明確に見分けられる措置を講ずることが考えられること。手術・処置の見学等であって、研鑚の性質上、場所や服装が限定されるためにこのような対応が困難な場合は、当該研鑚を行う医師が診療体制に含まれていないことについて明確化しておくこと。
イ 医療機関ごとに、研鑽に対する考え方、労働に該当しない研鑽を行うために所定労働時間外に在院する場合の手続、労働に該当しない研鑽を行う場合には診療体制に含めない等の取扱いを明確化し、書面等に示すこと。
ウ 上記イで書面等に示したことを院内職員に周知すること。周知に際しては、研鑽を行う医師の上司のみではなく、所定労働時間外に研鑽を行うことが考えられる医師本人に対してもその内容を周知し、必要な手続の履行を確保すること。
また、診療体制に含めない取扱いを担保するため、医師のみではなく、当該医療機関における他の職種も含めて、当該取扱い等を周知すること。
エ 上記⑴の手続をとった場合には、医師本人からの申出への確認や当該医師への指示の記録を保存すること。なお、記録の保存期間については、労働基準法(昭和22年法律第49号)第109条において労働関係に関する重要書類を3年間保存することとされていることも参考として定めること。

 

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