『ITエンジニアの働き方改革 情報サービス産業白書2019』
情報サービス産業協会から 『ITエンジニアの働き方改革 情報サービス産業白書2019』(インプレス)をお送りいただきました。今年は働き方改革特集なので私にもお送りいただいたようです。
https://book.impress.co.jp/books/1119101023
1987年に刊行が始まった「情報サービス産業白書」は、企業情報システムの開発を請け負う情報サービス産業に、最新のテーマに基づいた提言を行ってきました。「情報サービス産業白書 2019」では、情報サービス業界における「働き方改革」にフォーカスし、その働き方の実態と働き方改革への取り組みを紹介します。
かつて「3K」や「7K」などといわれ、「ブラック」な職種の代名詞だったITエンジニアですが、いち早く職場環境の改革に取り組んできたのがITエンジニアを多数抱える情報サービス企業です。情報サービス企業の業界団体である情報サービス産業協会(JISA)では「JISA働き方改革宣言」を掲げ、業界を上げて働き方改革を推進しています。
「JISA働き方改革宣言」は、「時短」や「効率化」の先にある、「ワクワク」の追求を究極の目標としたユニークなものです。本書には、JISAが会員企業に勤めるITエンジニア4,000人以上を対象に行った、「ITエンジニアのワクワクする働き方に関する調査」の全容を掲載しています。ITエンジニアはどのような時にワクワクを感じるのか、ワクワクを感じているITエンジニアのポジションや属性、仕事の内容は、など、「ワクワク」と働く環境の因果関係を明らかにするために行った調査です。長年、IT人材の働き方を研究してきた同志社大学大学院の中田喜文教授が調査結果を詳細分析し、「ワクワク」の正体を数値から解き明かします。どのような働き方改革を実践すれば、従業員満足度の高い職場環境を実現できるのか、そのヒントが得られます。
その中田さんによる「ワクワク」の分析によると、最も影響する要因は経営理念、次に能力発揮とプロジェクトの新規性、そして製品のコンテント及びその作成に用いる技術の新規性とのことです。
興味深いの残業時間の効果で、繁忙期の残業のみがワクワク度を下げる効果を持ち、通常期の残業は統計学的には効果は検出できなかったとしています。そして、残業時間が長くなってもそのマイナス効果は増大しないことや、その効果が比較的小さいことも興味深いとしています。
« ワーク・ワーク・ワークじゃなくってジョブ・ジョブ・ジョブ | トップページ | 道幸哲也『ワークルールの論点』 »
コメント