フォト
2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 第30回人間らしく働くための九州セミナー | トップページ | 公文教室の指導者の労組法上の労働者性 »

2019年7月31日 (水)

さわやか福祉財団『いわゆる有償ボランティアのボランティア性』

Charged_volunteer さわやか福祉財団の提言『いわゆる有償ボランティアのボランティア性』をいただきましたので、こちらでも宣伝しておきます。

さわやか福祉財団といえば、元検事の堀田力氏が中心になっているボランティア活動推進団体ですが、そこがいわゆる有償ボランティアのボランティア性について非常に突っ込んだ議論を展開している冊子です。

https://www.sawayakazaidan.or.jp/news/2019/data/charged_volunteer.pdf

「はじめに」に曰く、

・・・本来ボランティア活動は法律の根拠など不要で、人の当然の行為として自由にやれるものですし、これに謝礼金を払うのも当然の行為として自由にやれることであって、法的根拠など要りません。
ただ問題は、有償ボランティア活動と労働や請負・受託などの仕事とをどう区別するか、また、「有償」である謝礼金と労働や請負・受託に対する賃金・報酬との区別は何かで、その区別が実態としてあいまいなために、迷うケースもでてくることです。
本書では、区別しなければならないケースに当たった場合の考え方を示して迷わないようにしてもらうとともに、ここまでなら間違いなくボランティアと言える状況を示して、せっかくの住民の貴重な助け合い(ボランティア)活動を絶対に抑制しないで対応していただくことを願って編集しています。
ご活用ください。

本冊子のうち、労働クラスタが特に目を通しておく必要があるのが、第2章の「有償ボランティアをめぐる法律問題」ととりわけ第3章の「座談会 有償ボランティアの法的検討」です。

というのも、この座談会のディスカッサントは、山口浩一郎、大内伸哉、小野晶子、堀田力という顔ぶれで、それだけでも読みたくなるでしょう?

こういうかなり刺激的な議論も展開されています。

・・・山口氏:ボランティアを労働者だとすることにどうしても抵抗があるのは、ボランティア活動ができなくなってしまうからです。労働時間が何時間で、休憩や休暇を与えなければいけないなど、活動がきゅうくつになってしまいます。ボランティア活動とは、そういうものではないんだろうという気がしています。やはり、ボランティア基本法のような法律があるべきだと思います。
大内氏:この問題の解決には、社会的に有用な公益性の高い事業を実施する側、すなわちボランティアを使う側は基本的に労働基準法を適用しないというような法改正が必要になってくるのではないでしょうか。
それをもっと進めて、有償ボランティア法などの立法へつなげる。労働者性をめぐる問題を完全に解決するならば、それしかないかなと思います。
・・・大内氏:1つの考え方として、副業型のボランティアは労働法を適用しないということは、もしかしたら経済産業省はのってくるかもしれません。労働法には生活保障的な意味もあって、そうだとすると、本業で労働者として保護されている人の副業であるボランティアの活動については労働法を適用しないという考え方もできるのではないでしょうか。ただ、労災だけは外すというわけにはいかないと思いますが。
小野氏:フランスにはボランティア活用の法政策があって、その中に明白に労働者ではないと規定されていますよ。

« 第30回人間らしく働くための九州セミナー | トップページ | 公文教室の指導者の労組法上の労働者性 »

コメント

“社会的に有用な公益性の高い事業”

むしろ、これは逆じゃないか、と思いますけどね
そういうカチカチのものじゃない(例えば、指揮命令的な要素がほぼない、など)ので、頼む方も受ける方も気楽にやっています、というのが重要なんじゃないの。逆に言うと、カッチリやっているという点で同じなのに、その中に2重基準があるのは、筋が悪いでしょう
社会的に有用な「公益性」があることだから、「やりなさい」という圧力と一緒になったら、大変なことです

おなじことをやらせたときに、使う側のコストの差を具体的な数字でまず見せてもらわないと、言葉で遊んでいるようにしか見えない。最低賃金のアップ、じゃなくて、時給900円と言ってほしい。きっと皆さん、頭の中には共通理解があるから、議論ができるんでしょうが、そうではない人もいるんですよ、お願いします。

ブログ主でない方の意見にコメントするのは良くない事かもしれませんが

>労働時間が何時間で、休憩や休暇を与えなければいけないなど、活動がきゅうくつになってしまいます。

労働者であってもボランティアであっても、同じ作業をする場合は同じ休憩や休息が必要だと思います


>社会的に有用な公益性の高い事業を実施する側、すなわちボランティアを使う側は基本的に労働基準法を適用しないというような法改正が必要になってくるのではないでしょうか。

社会的に有用な公益性の高い事業を行うボランティアは、労働者と違って休憩や休暇なしに長時間労働しても過労死しないという事でしょうか?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 第30回人間らしく働くための九州セミナー | トップページ | 公文教室の指導者の労組法上の労働者性 »