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2019年6月13日 (木)

[書評]160 神と天使と人間と 大澤真幸『社会学史』(1)by 佐藤俊樹@『UP』6月号

456895 先日、名著『社会科学と因果分析』をお送りいただいた佐藤俊樹さんが、東大出版会の広報誌『UP』で、大澤真幸さんの『社会学史』を批評しているんですが、これが破壊力すごすぎて、正直がれきの山という感じです。何が?って、大澤さんのこの本が。

http://www.utp.or.jp/book/b456895.html

[書評]160 神と天使と人間と 大澤真幸『社会学史』(1) 佐藤俊樹

何がどうがれきの山なのか、それは読んでいただくしかなさそうです。

(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-8337.html (佐藤俊樹『社会科学と因果分析』)

・・・思いだしてみると、今から40年余り前に大学に入ったころのマックス・ウェーバーという人のイメージって、(当時駒場にいた社会学者が折原浩という典型的なウェーバー考証学者だったこともあり)確かにガチ文系という感じでしたね。同じ文系でも数学を駆使している近代経済学とは対極にある感じでした。でも、それって、ウェーバーのそういうところばっかり「研究」してきた日本のウェーバー学者たちのバイアスだったようです。

佐藤さんのすごいところは、ウェーバーの論文で参照されている同時代のフォン・クリースという統計学者をはじめとして、関連する学問分野の文献を丁寧に見ていき、リッカート的ブンケー論に引き寄せて解釈されがちだったウェーバーが、実は同時代の最先端の統計論と取っ組み合っていたということを論証していくところです。そのスタイルは、それこそまさに文系の学者たちの得意とする文献考証そのものですが、それでこれだけ世の通俗的な認識と異なる絵図が描けてしまうということは、いかにこれまでのガチ文系のウェーバー学者たちが、自分の乏しい認識枠組みの内部だけで、ウェーバーの論文をあーでもないこーでもないとひねくり返して読んできていたかを示しているともいえるのでしょうね。

 

 

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